魚料理に欠かせないハーブと言えば、フェンネル!ハーブの中でも育てやすく、家庭菜園に少しあるだけで食卓が一気にオシャレになります。実際、金太郎も栽培してみましたが、家庭菜園でも香り豊かなフェンネルを収穫することができました!
そこで本記事ではフェンネルの育て方について、金太郎の実体験や自ら撮影した写真を交えながら、家庭菜園初心者向けに分かりやすく紹介します。また、自宅に畑が無い方でもプランターを使えばフェンネル栽培は十分可能です。家庭菜園初心者がプランター栽培でチャレンジするときのポイントも、この記事であわせて解説していきます。
これからフェンネル栽培に挑戦してみたい方はぜひ参考にしてください!
- フェンネルの特徴と家庭菜園で育てやすいポイント
- 自分の地域での種まき時期と家庭菜園向け栽培カレンダー
- 失敗しやすいポイントと対策5つ(覆土・成長しない・列球・とう立ち・霜)
- 家庭菜園・プランター栽培でも失敗しない!種まき~収穫時期までの具体的な育て方
フェンネルとは | 特徴・家庭菜園で育てやすいポイント

| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 科名 | セリ科 |
| 発芽適温 | 15~20℃ |
| 生育適温 | 15~25℃ |
| 栽培の難易度 | ★★★☆☆ |
| 栽培適期(中間地) | 春作:3~4月植え/6月収穫 秋作:8~9月まき/11~12月収穫 |
| 植えつけ~収穫までの日数 | 葉の収穫:約60日/茎の収穫:約90日 |
| 畝幅・株間 | 畝幅65cm・2列30cm間隔 |
| 収穫の目安 | 葉:高さ20cmになったら 茎:こぶし大まで膨らんだ頃 |
フェンネルは細長く柔らかい葉が特徴的なセリ科のハーブです!和名では「ウイキョウ」と呼ばれることも。魚料理はもちろん、サラダやスープに入れて爽やかな香りを楽しみます。
実際、金太郎が栽培してみて感じたフェンネルの特徴・育てやすいポイントをご紹介します!
病害虫が発生しにくく育てやすい
フェンネルは害虫も病気もそこまで発生する方ではありません。植えつけ後は基本、成長するのを待つだけのイメージですので、家庭菜園でにそこまで時間をかけられない人にもオススメできます。
使える部位が多く収穫期間を長く楽しめる
フェンネルの葉は生育前半から順次摘み取って収穫できます!また、品種によっては茎も太らせて食べられるので、一株から「葉」も「茎」も楽しめます。限られたスペースを最大限活かせるのもフェンネルの魅力の一つです。
プランターでも栽培しやすい
自宅に畑が無い方でも、プランターや大きめの鉢を使ってフェンネルを栽培することができます!
やや乾燥気味を好む植物なので、多少水やりを忘れてしまっても何とかなるのも育てやすいポイント。

とは言っても、カラカラは良くないから忘れないようにしてね!
フェンネルの栽培カレンダー(地域別 | 家庭菜園での種まき時期)

フェンネルは寒冷地では夏作、中間地・暖地では春作・秋作で育てることができます。
中間地の場合、春作では2月上旬~3月、秋作では7月上旬~8月上旬に種まきをします。育苗期間はポリポットで30日ほど。苗の準備ができたら、春作では3月上旬~4月、秋作では8月上旬~9月上旬で植えつけします。その後は葉や茎をぐんぐん成長させ、植えつけから60日ほどで葉を、90日ほどで茎を収穫できるイメージです!

春作は夏至前後でとう立ちしやすいので注意!家庭菜園初心者には秋作の方がおすすめ。
フェンネル栽培で失敗しやすい5つの原因と対策
フェンネルの育て方を解説する前に、家庭菜園初心者が失敗しやすい5つの原因と対策をご紹介します!
①種まき時に土をかけ過ぎると発芽しにくい
フェンネルは発芽時に光を必要とする性質を持っており、覆土を厚くかけると光が通りにくく発芽率が落ちてしまいます。
覆土は種が見えるか見えないか程度にごく薄くかけるようにしてください!

でも、覆土をごく薄くにしたらすぐ乾燥しちゃうじゃん!そんなにこまめに水やりしてられないよ!

乾燥には注意しないとね!こまめに水やりできない時は、上から不織布(光は通す)をかけると湿った状態がキープしやすくて良いよ!
②生育前半で葉を収穫してしまうと大きく成長しない
フェンネルがまだ大きく成長する前から葉を収穫してしまうと、光合成量が少なくなり株全体が大きくなりにくいです。まだ小さいフェンネルにとって、葉1枚取るだけでもその影響は大きいです。
では、いつから収穫すれば良いのか?フェンネルの葉の収穫目安は「高さ20cm」まで成長してきた頃です!それまでの生育前半では、株全体を大きく成長させることを優先して収穫は控えるようにしましょう!

20cm以上でも、一度にたくさん摘み取ってしまうと株が弱ってしまう。少しずつ収穫するのがコツ。
③取り遅れると裂球しやすい
フェンネルは取り遅れると、せっかく大きく膨らんだ茎が裂球してしまうことがあります。特に収穫時期を過ぎて乾燥しているところにたっぷり水やりしたり雨が降ると、フェンネルは一気に水分を吸収して耐えきれず裂球しやすいです。
裂球させないためには、収穫時期を逃さず早め早めのうちから収穫を始めるのが効果的です。理想はこぶし位ですが、一回り小さいうちから採り始めてもOK!
④とう立ちすると葉が硬くなり香りも落ちる
フェンネルは日が長くなるととう立ちしやすく、葉が硬くなったり香りも落ちてしまいます。特に注意したいのは春作で、一番日が長くなる夏至前後(6月下旬)をある程度成長させた状態で迎えてしまうと、とう立ちしやすいです。
小さいうちならとう立ちしにくいので、春作では早まき・早植えに注意し「大きくし過ぎた状態で長日・高温に当てない」ことで、とう立ちをかなり抑えることができます!

家庭菜園初心者なら秋作の方が育てやすい。
⑤霜に弱い

フェンネルは多少の寒さに耐えられますが、強い霜に当たると葉が萎れたり茶色く変色してしまいます。
本格的な冬が来る前に収穫できるよう、遅まきを避ける他、不織布やトンネルなどで霜よけをしてください!プランター栽培の場合は、夜〜朝だけ室内に移動させればOKです。
栽培で準備するもの
- フェンネルの苗
- ポリポット(直径9cm)またはセルトレイ(128欠または200欠)
- 育苗培土
- 元肥
- 堆肥 … 3ℓ/㎡
- 化成肥料 … 100g/㎡ (または有機発酵肥料 … 200g/㎡)
- かき殻石灰 … 150g/㎡
(育苗する場合)
- フェンネルの種
- ポリポット(直径9cm)またはセルトレイ(128欠または200欠)
- 育苗培土
フェンネルの苗や種はどこで売ってる?
フェンネルの苗や種は、ホームセンターの種苗コーナー(特にハーブコーナー)やネット通販などで販売されています。
ネット通販の場合は、以下より購入いただけます!

茎が膨らむフローレンスフェンネルだけど、葉も香り良く楽しめる。迷ったらこの品種がオススメ!
フェンネルの育て方6ステップ(家庭菜園向け)
フェンネルの具体的な育て方は以下のとおり。順番に詳しくご紹介していきます!
①丈夫な苗を準備する(育苗のコツ)
フェンネルの苗を準備する方法は2つあります。
- ホームセンター等で苗を購入する
- 自分で種から苗を育てる
どちらの方法でも構いません!準備しやすい方法で苗を用意してください。
ここでは、「自分で種から苗を育てる」方法をご紹介します。
- STEP①種まき

【発芽適温:15~20℃】
ポリポット(直径9cm)に育苗培土を入れ、種を3粒ずつ蒔きます。フェンネルは発芽に光が必要な好光性種子であるため、覆土をごく薄く(種が見えるか見えないか程度)かけしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②間引き

本葉1~2枚の頃、成長の良い株を1本残して残りを間引きます。
- STEP③育苗完了

本葉3~4枚になったら植えつけ適期です。
苗がヒョロヒョロと徒長してしまうと良い苗にはなりません。徒長対策については以下の記事で詳しく解説しています。
その他、育苗については以下の記事で詳しく解説しています。
②植えつけ1週間前までに土づくりする
植えつけの1週間前までをメドに、元肥として以下をすき込んでおきます。
- 堆肥 3ℓ/㎡
- 化成肥料 100g/㎡(または有機発酵肥料 200g/㎡)
- かき殻石灰 150g/㎡

元肥をすき込んだら幅65cmの畝を立て、マルチを張ります。高温には弱いので、地温上昇を抑えられる「白マルチ」がおすすめ!
時間があれば「太陽熱養生処理」をしておきましょう!詳しく解説している記事がありますので、参考にしてみてください。
③畝幅65cmの2列・株間30cmで植えつけ


【生育適温:15~25℃】
フェンネルは畝幅65cmの2列・株間30cm間隔で植えつけします。植えつけ穴を掘り、そこに水をたっぷりやります。水が引いたら、苗を植え付けましょう!
植えつけの際、水にリキダスを入れると活着が良くなります!詳しくは以下の記事で解説しています。
プランターで育てる場合のポイント

フェンネルは畑だけでなく、プランターや大きめの鉢でも十分に育てられます!セリ科で水が好きなので、容器のサイズと水管理を意識するのがポイントです。
以下、プランター栽培に必要なものです。
- プランター(幅65cm×奥行20cm×深さ20cm以上)または10号鉢(直径30cm程度)
- 培養土(元肥入りでもOK)
プランターでは、畑と同じく「株間30cm前後」をイメージしてゆったり植えます。プランターは2株まで、10号鉢は1株までとすると茎も膨らみやすいです。欲張って株数を詰めすぎると根が窮屈になり、葉が広がらず小玉になりやすいので注意しましょう!
また、プランターは土の量が少ない分、畑より乾きやすいので、水切れにも注意します。

土の表面が乾いてきたら、こまめに水やりしよう!
④病害虫対策をする


フェンネルは病害虫の発生が比較的少ない野菜ですが、油断は禁物!以下で害虫・病気それぞれの対策方法をご紹介します!
害虫対策は防虫ネットやゼンターリがおすすめ
| 種類 | 症状の例 | 主な原因・時期 | おすすめ対策 |
|---|---|---|---|
| キアゲハ | 葉をバリバリ食べられる | セリ科が大好き | 防虫ネット、ゼンターリ |
| アブラムシ | ・葉や茎にびっしり付き汁を吸う ・ウイルスを媒介されるかも | 春~秋の暖かい時期 | 防虫ネット、フーモン |
| アカスジカメムシ | 花やタネの汁を吸う | 開花後 | 防虫ネット |
こちらは、フェンネルに発生しやすい害虫とおすすめの対策をまとめた表です。特に注意したいのは「キアゲハ」で、発生すると葉をバリバリ食べられてしまいます。
害虫対策として「防虫ネット」「ゼンターリ」「フーモン」をうまく組み合わせると、家庭菜園でもかなり安定してフェンネルを栽培することができます!
防虫ネットを張ると害虫の侵入を物理的に防ぐことができます。防虫ネットの張り方は以下の記事で詳しく解説しています。
加えて「ゼンターリ」&「フーモン」の散布がおすすめ!ゼンターリはBT菌を有効成分とする生物農薬で、キアゲハに有効です。さらにフーモンを混用することで、展着剤としての効果だけでなく、アブラムシなどの”小さくて厄介な害虫”をまとめて退治することができます!これらについては、以下の記事で詳しく解説しています。
病気対策はZボルドーがおすすめ
| 種類 | 症状の例 | 主な原因・時期 | おすすめ対策 |
|---|---|---|---|
| うどんこ病 | ・葉や茎に白い粉がつく ・進行すると株全体が白くなり枯れることも | ・6~11月 ・高温乾燥、風通しの悪い環境 | ・風通しを良くする ・Zボルドー散布 |
こちらは、フェンネルに出やすい病気とおすすめの対策をまとめた表です。「ジメジメさせない」「傷をつけない」「怪しい株・葉はすぐ取り除く」が病気対策の基本になります。さらに予防的に「Zボルドー」を散布すると、家庭菜園でもかなり安定してフェンネルを栽培することができます!
Zボルドーは糸状菌から細菌による病気まで幅広い病気の予防に有効で、野菜類で登録があり、有機栽培でも使用することができます。以下の記事で詳しく解説しています。

病気が出ていなくても油断は禁物。生育前半に少なくとも1回はZボルドーを散布しておくと良い。
⑤”葉”の収穫時期は高さ20cm以上になった頃

【植えつけ~収穫の目安:60日】
フェンネルの葉は、高さ20cm以上にまで成長してきた頃から収穫し始めてOK!
どこの葉でも良いですが、中央の成長点から出てくる新しい葉を摘み取るのがオススメ!柔らかくて香りも良いです。

採りたての香りが抜群!収穫は食べる食前がおすすめ。
⑥”茎”の収穫時期はこぶし大まで膨らんだ頃


【植えつけ~収穫の目安:90日】
フェンネルの茎の収穫時期は、こぶし程の大きさになってきた頃です!根元に包丁を入れて収穫しましょう。

取り遅れは裂球の原因になるので注意!早めから収穫しよう!
フェンネル栽培でよくある質問(Q&A)
最後に、フェンネル栽培でよくある質問を紹介します。家庭菜園初心者が気になる質問をまとめてみたので、ぜひ読んでみてください。
Q1.フェンネルとディルの違いは?
フェンネルとディル、名前が違うけれど、いったい何がどう違うの?と疑問に思ったことはないでしょうか。見た目は確かにそっくりですが、全くの別物です!
| 項目 | フェンネル | ディル |
| タイプ | セリ科フェンネル属、多年草 | セリ科イノンド属、1年草 |
| 大きさ | 1~2mと背が高く大型になりやすい | 約30〜80cmで比較的コンパクト |
| 味・香り | 甘くスパイシーで爽やかな香り | 爽やかでややスパイシーな香り |
| 食べる部位 | 葉・茎・種 | 葉 |
| 主な用途 | 魚料理・肉料理の風味付け、サラダ、グリル、パンやリキュールなど | サーモン料理、ピクルス、北欧料理の香り付けによく使われる |
フェンネルは多年草で結構大きくなるため、「長く収穫を楽しみたい」「茎も美味しく頂きたい」場合に向きます。一方、ディルはコンパクトなのでプランター栽培もしやすく、気軽に育てられるハーブです。
Q2.「スイートフェンネル」と「フローレンスフェンネル」は何が違うの?
スイートフェンネルは主に「葉」を楽しむ種類で、魚料理とあわせると相性抜群!豊かな香りがたまりません。一方、フローレンスフェンネルは主に「膨らんだ茎」を楽しむ種類で、シャキシャキとした食感と特有の香りが特徴!サラダやスープにすると美味しいです。
このようにフェンネルには2種類ありますが、「スイートフェンネルだから茎は食べられない」「フローレンスフェンネルだから葉は食べられない」ということはありません!育てる目的が決まっていればそれに適した種類を選べば良いですし、決まっていなければどちらでも構いません。

品種改良の方向性が違うので、スイートフェンネルは茎が太りにくいし、フローレンスフェンネルの葉は香りが落ちるけど、どちらでも全然楽しめるよ。
Q3.フェンネルはプランターでも育てられる?
深さと容量のある大きめプランターなら栽培可能です!直根性で割と大きくなるので、大きめのプランター・鉢を選ぶのがポイント。
Q4.水やりはどのくらい必要ですか?
フェンネルはセリ科で水が大好き!水を切らさないようにするのが栽培のコツです。
畑の場合はマルチを張るとともに雨がしばらく降らないようなら適宜水やりします。プランターの場合は、土の表面が乾いてきたらこまめに水やりすると良いです。
まとめ:フェンネル栽培で大切なこと
ここまで、フェンネルの特徴や栽培カレンダー、育て方などについて、実際の栽培経験や写真を交えながら解説してきました。
- フェンネルは細長く柔らかい葉が特徴的なセリ科のハーブ
- 春作では3月上旬~4月、秋作では8月上旬~9月上旬に畝幅65cmの2列・株間30cm間隔で植えつけする
- 植えつけ後は防虫ネットを張るなど、病害虫対策を万全に
- “葉”は高さ20cm以上になった頃、”茎”はこぶし大まで膨らんだ頃が収穫時期!
フェンネルは1株あるだけでその爽やかな香りを長く楽しませてくれる上に、病害虫の発生は比較的少なめなので、家庭菜園でも十分育てやすいハーブです。金太郎も今ではすっかりその魅力にハマってしまい、今ではフェンネル無しの家庭菜園では落ち着きません(笑)!
ぜひ本記事を参考にフェンネルを育ててみましょう!
他のハーブの育て方はこちら!
フェンネル以外にも、家庭菜園でおすすめしたいハーブの育て方を紹介しています!ぜひあわせてチェックしてみてください。














