アスパラ菜（オータムポエム）という野菜をご存じですか？”アスパラガスのような風味”がたまらない、甘くて柔らかい菜の花で、家庭菜園でもぜひオススメしたい野菜の一つです！
本記事では、アスパラ菜（オータムポエム）の種まき～収穫までの栽培・育て方について、写真をたくさん交えながら、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。
この記事は、以下のような人におすすめ！
- 家庭菜園でアスパラ菜（オータムポエム）を育ててみたい
- 菜の花のおすすめ品種を教えてほしい
- 冬～春でも収穫できる野菜にチャレンジしたい
この記事を読んで、一緒にアスパラ菜（オータムポエム）を育ててみましょう！
アスパラ菜（オータムポエム）とは？
| 科名 | アブラナ科 |
| 発芽適温 | 20～25℃ |
| 生育適温 | 15～25℃ |
| 収穫までの期間 | 種まきから約60日～ |
「アスパラ菜（オータムポエム）」（以下、アスパラ菜）は、名前のとおり”アスパラガスのような風味”のする菜の花です。中国野菜の一つである紅菜苔と菜心をもとに作られました。
「オータムポエム」はサカタのタネが販売しているアスパラ菜の品種名。
家庭菜園でアスパラ菜をオススメする理由３つ
アスパラ菜は家庭菜園でもぜひおススメしたい野菜の一つです！その理由を順番に説明していきます。
①アスパラガス風味の茎がたまらない！どんな料理にも合う
アスパラ菜は、アスパラガスのような風味のする茎が甘く柔らかくてたまりません…！
中国野菜同士をかけ合わせて育成されたので中華料理はもちろんですが、パスタやスープ、お浸しなどどんな料理にしても美味しいですよ！
②摘み取り方式で長く収穫を楽しめる
アスパラ菜は菜の花を楽しむ野菜で、伸びてきたわき芽を摘み取っていく収穫スタイルになります。
収穫しても次々とわき芽が伸びてくるので、長期間にわたって何度も収穫することができます！
冬～春の間にこういった野菜があると重宝する。
③家庭菜園でも簡単に栽培できる
アスパラ菜は生育旺盛で間引きや水やり、追肥といった基本的な管理ができればOK！家庭菜園でも簡単に栽培することができますよ！
普通に葉もの野菜を育てる感覚で育てられる。
アスパラ菜の栽培時期
春まきと秋まきの２つの作型がありますが、アスパラ菜は基本的に秋まきで栽培します。
中間地の場合、秋まきでは８月下旬～９月いっぱいで種まきします。育苗する場合はポリポットで１か月ほど。発芽すると葉や茎をぐんぐん成長させ、種まきから約60日で収穫開始！といったイメージです。
収穫開始後、条件にもよるけど１～２か月は収穫期間が続く。
アスパラ菜栽培で準備するもの
- アスパラ菜の種
- 元肥
- 堆肥 … ３ℓ/㎡
- 化成肥料 … 100g/㎡ （または有機発酵肥料 … 200g/㎡）
- かき殻石灰 … 150g/㎡
（育苗する場合）
- ポリポット（直径９cm）またはセルトレイ（128欠または200欠）
- 育苗培土
アスパラ菜の種はどこで売ってる？
アスパラ菜の種は身の回りのホームセンター等の種苗コーナーで販売されているかと思います。
ネット通販の場合は以下より購入いただけます！
アスパラ菜の育て方７ステップ
アスパラ菜の具体的な育て方は以下のとおり。順番に詳しくご紹介していきます！
①育苗（苗を作る場合）
【育苗期間の目安：20～30日】
アスパラ菜の育苗方法を説明します。少し育てる場合はポリポット、たくさん育てる場合はセルトレイを活用するのがオススメ！
- STEP①種まき
【発芽適温：20～25℃】
ポリポット（直径９cm）に育苗培土を入れ、種を３粒ずつ蒔きます。覆土をかけてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②間引き
本葉１～２枚の頃、成長の良い株を１本残して残りを間引きます。
- STEP③育苗完了
本葉４～５枚になったら植え付け適期です。植えつけましょう！
- STEP①種まき
【発芽適温：20～25℃】
セルトレイ（128欠または200欠）に育苗培土を入れ、種を１粒ずつ蒔きます。覆土をかけてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②育苗完了
本葉２～３枚ほどになったら植え付け適期です。植えつけましょう！
種まきの際、覆土の代わりに「イネニカ」を使うと徒長しにくい頑丈な苗に育ってくれるのでオススメですよ！詳しくは以下の記事で解説しています。
その他、育苗については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
②土づくり
植え付けの１週間前までをメドに、元肥として以下をすき込んでおきます。
- 堆肥 ３ℓ/㎡
- 化成肥料 100g/㎡（または有機発酵肥料 200g/㎡）
- かき殻石灰 150g/㎡
元肥をすき込んだら幅65cmの畝を立て、幅95cmで５列15cm間隔の穴あきマルチを張ります。
時間があれば「太陽熱養生処理」をしておきましょう！詳しく解説している記事がありますので、参考にしてみてください。
③種まき（植え付け）
【発芽適温：20～25℃】
畑に直まきする場合、アスパラ菜は３列30cm間隔で１穴につき種を３粒ずつ蒔きます。上から覆土をしてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。あとは発芽するまで乾かないよう、こまめに水やりをしましょう！
育苗する場合と同様、本葉１～２枚の頃、成長の良い株を１本残して残りを間引く。
種を蒔く前にアルバリン粒剤を撒いておくと、直まき野菜の一番の弱点である発芽直後～生育前半の害虫を防ぐことができます。詳しくは以下の記事で解説しています。
苗を植え付ける場合
育苗した場合でも、アスパラ菜の株間は３列30m間隔とします。植え付け穴を掘り、苗を植え付けましょう！
植え付けの際、リキダスを混ぜた水を苗にかけておくとその後の活着が良くなります！詳しくは以下の記事で解説しています。
④病害虫対策
栽培してたら、よく分からない害虫や病気が発生しちゃった…。もうダメだ…。
発生する前から早め早めに対策しておこう！
アスパラ菜を含むアブラナ科野菜は病害虫が発生しやすいです。以下でそれぞれの対策方法をご紹介します！
害虫対策
葉を食べる系害虫：ヨトウムシ、コナガ、アオムシ、キスジノミハムシなど
養分を吸う系害虫：アブラムシなど
アスパラ菜はヨトウムシやコナガなどのイモムシ系をはじめ、ハムシやアブラムシなど様々な害虫が発生します。
アスパラ菜の害虫対策は以下がオススメ！
- 種まき前に「アルバリン粒剤」をすき込んでおく
- 種まき後に「防虫ネット」を張る
- 生育後半は「ゼンターリ」＆「フーモン」を散布する
種を蒔く前にアルバリン粒剤を撒いておくと、直まき野菜の一番の弱点である発芽直後～生育前半の害虫を防ぐことができます。詳しくは以下の記事で解説しています。
防虫ネットを張ると害虫の侵入を物理的に防ぐことができます。防虫ネットの張り方は以下の記事で詳しく解説しています。
生育後半は「ゼンターリ」＆「フーモン」の散布がおすすめ！ゼンターリはBT菌を有効成分とする生物農薬で、ヨトウムシなどのイモムシ系害虫に有効です。さらにフーモンを混用すれば、展着剤としての効果だけでなく、アブラムシやアザミウマ、ハダニといった”小さくて厄介な害虫”をまとめて退治することができます！これらについては、以下の記事で詳しく解説しています。
病気対策
カビ（糸状菌）の病気：べと病、白さび病など
細菌（バクテリア）の病気：軟腐病など
アスパラ菜を含むアブラナ科野菜は害虫のイメージが強いですが、病気への対策ももちろん重要です。
家庭菜園での病気対策は「Zボルドー」がオススメ！糸状菌から細菌による病気まで幅広い病気の予防に有効で、野菜類で登録があり、有機栽培でも使用することができます。以下の記事で詳しく解説しています。
病気が出ていなくても、油断は禁物。少なくとも生育前半で１回は散布しておく。
⑤摘芯
生育が進み花が咲き始めたら、摘芯のタイミングです！下の葉を３～４枚ほど残して、主枝（中心から出ている太い茎）を摘芯しましょう！
えっ、なんで摘芯しちゃうの…？
わき芽を伸ばすためだよ！
アスパラ菜は「わき芽」を食べる野菜です。主枝を摘芯することで、わき芽が次々と伸びてくるようになります！
ちなみに、摘芯した主枝はもちろん食べられるよ。これが初収穫だね！
⑥収穫！
アスパラ菜は伸びてきたわき芽の長さが15～20cmになったら収穫適期です！摘み取り方式で収穫していきましょう～！
なお、わき芽を収穫する際は摘芯の時と同様、わき芽の根元の葉を数枚残しておくようにしてください。すると、そこから再びわき芽が伸びてきて繰り返し収穫することができます！
わき芽は何本くらい収穫できるの？
上手くいけば、１株から20本ほど収穫可能！コツは追肥だね。
⑦追肥
アスパラ菜を長く収穫するには、定期的な追肥が必要です。本格的な収穫が始まる頃を皮切りに、およそ１か月ごとに以下を追肥していきましょう！
- 化成肥料 … 30g/㎡（または発酵有機肥料 … 50g/㎡）
まとめ：アスパラ菜栽培で大切なこと
ここまで、アスパラ菜の育て方をご紹介しました。
アスパラ菜は中国野菜である紅菜苔と菜心を掛け合わせた、菜の花を楽しむ野菜
“アスパラガスのような風味”がたまらない！甘くて柔らかい菜の花
家庭菜園でも育てやすく、摘み取り方式で長く収穫を楽しめる
害虫も大好物！防虫ネットを張るなど病害虫対策は万全に
花が咲き始めたら摘芯。その後、伸びてきたわき芽を順次収穫しよう！
アスパラ菜はとても美味しい菜の花で、冬～春の間でも長く収穫を楽しめます。栽培はそこまで難しくありませんので、家庭菜園でぜひオススメしたい野菜です！
ポイントは害虫対策！面倒ではありますが、害虫は良く発生するため、害虫対策はきっちり行いましょう！ここを抑えられれば、成功はグッと近づきます。
ぜひ本記事を参考にアスパラ菜を育ててみましょう！