ケールの有機栽培・育て方

葉もの

青汁でお馴染みのケール。「栄養価は高いんだろうけど、苦みやエグ味があるからなぁ~」と思ってるそこのあなた!なんてもったいない!最近の品種は苦味やエグ味が少なく、サラダなど生食でも食べられてしまうんです!

今回は、そんな栄養豊富で食べやすい「ケール」の有機栽培・育て方をご紹介します!

ケールとは…?

基本データ

科目アブラナ科
原産地地中海沿岸
連作障害あり(2~3年あける)
適正土壌酸度(pH)6.0~6.5
発芽適温15~30℃
生育適温15~20℃

ケールは地中海沿岸が原産で、キャベツの原種に近いです。アブラナ科の野菜ですので、前年にアブラナ科を栽培した場所は控えましょう。

栽培時期

寒冷地は夏まき1シーズンですが、中間地と暖地では春まきと秋まきの2シーズンの栽培が可能です。ケールは結球しない葉を摘み取る野菜で、上手く栽培すれば長く収穫できますよ!

品種

ケールはいくつかの系統があります。ここでは、代表的な3系統をご紹介します!

コラードケール(加工向き)

コラードケール(マスダケールHPより引用)

縮れがほとんどなく、肉厚で歯ごたえがあります。結球しないキャベツといえばイメージしやすいでしょうか。搾汁量が多く、ジュースやスムージーなど加工向きの品種です。

金太郎
金太郎

「ハイクロップ」(タキイ種苗)や「スウィートグリーン」(増田採種場)などが代表どころ。

カーリーケール(生食向き)

葉が縮れた濃い緑色のケール。苦味や青臭さが少なく、生のままサラダで食べるのがオススメ。

金太郎
金太郎

金太郎が最もオススメする品種は「カリーノケール」(トキタ種苗)だね!縮れがかなり強く、フリル形状なのが特徴で、表面積が大きくドレッシングが良く絡んで食べやすいよ!ちぎってサラダに入れるとボリューム感も出て良い感じ。

トスカーナケール(煮込み向き)

細長く、黒に近い濃緑色で、亀の甲羅のようにひび割れた模様が入る。葉はやや硬いですが滋味深い味わいが特徴で、煮込み料理なんかに最適です!カーボロネロとも呼ばれます。

詳しい栽培方法・育て方は↓で紹介しているので、ご覧ください!

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栽培のポイント

ケールは「葉ものタイプ」の野菜に分類されます。以下で詳しく説明しているので、まずはこちらをご覧ください!

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ケールは一般的な葉ものタイプとは異なり、葉を摘み取りながら長く収穫を楽しめます。ですので、養分を切らさないよう、定期的に追肥をするようにしましょう!

種まき&苗づくり

ケールは皆さんの近所のホームセンターに苗が出回るほど、メジャーな野菜ではないかもしれません。ですので、せっかくであればネットで種を取り寄せて、種から育苗してみましょう!(もちろん、ネットであれば苗も出回っています)

種まき

128穴トレイ

128穴トレイを用意し、1穴につき1~2粒ずつ蒔きます。その後、たっぷりと水やりをしてください。

暑熱対策
白いのが遮光ネット

夏場の種まきは温度と乾燥に注意が必要です!

特に温度。ケールの発芽適温は15~30℃である一方で、夏場のビニールハウス内は簡単に40℃を超え、時には50度前後まで上昇することもあります。そんな場所では発芽なんてしてくれません!

そこで、夏場はビニールハウスの外で遮光ネットを活用した苗床をつくりましょう!ちなみに、遮光ネットといえば、遮光率90%ほどの黒色が一般的ですが、曇りや雨の日にそのままにしてしまうと徒長しやすいんですよね…。毎日のように開け締めする時間がない方には、白色がオススメです!白色だと遮光率は50%台ほどですので、曇りや雨の日にそのままにしても徒長しすぎることはないですし、ちゃんと発芽もしてくれます

また、夏場は乾燥しやすいので、こまめに水やりをしてください!夕方に土が軽く乾く程度が理想です。

種まきから2週間後(間引き)

1週間ほどで発芽が揃い、2週間ほどで本葉が1枚で始めます。ここで生育の悪い方を間引き、もう少し生長してもらいます。

種まきから3週間後の様子(苗から栽培の場合はここから)

種まきから3週間ほどで本葉が2枚ほどになります。ここでいよいよ植え付け適期です!

金太郎
金太郎

一回り大きいポットに植え替えて、本葉3~4枚くらいになるまで生長させてから植え付けてもいいよ。

土づくり

苗づくりと平行して土づくりをしておきましょう。

畝幅は65cmとし、以下の肥料を鋤きこんでおきます。その畝に、幅95cmの2列ちどりで穴が空いている黒マルチを張ります。

元肥
  • 堆肥2kg/㎡(C/N比が高いもの)
  • 卵殻200g/㎡
  • 有機発酵肥料250g/㎡
  • ミネラル類70g/㎡

ケールの栽培期間は長いです。その間に水分や養分をしっかりと蓄えておけるような土づくりが必要です。そのためには、C/N比の高い堆肥を施用して、できれば夏場に太陽熱養生処理を行っておくといいでしょう。

植え付け

先述の苗づくりが完了、もしくはホームセンター等で苗を購入したら、45c~60m間隔の千鳥植え(2列)にします。その後、水をたっぷりとあげましょう。

金太郎流!有機栽培のポイント

植え付けた直後から虫が寄ってきます。特に、苗は赤ちゃんの状態なので、病害虫にとても弱いです。速攻で防虫ネットをかけましょう!

「防虫ネットは種まきから収穫まで」が鉄則です!

防虫ネット

収穫!

種まきからおよそ2ヶ月、植え付けからおよそ1ヶ月でいよいよ収穫です!!長さ30cmほどになったら収穫適期。次々と出てくる葉を下から順番に摘み取っていきましょう!

なが~く収穫を楽しむには…?

ケールは茎から葉を摘み取って収穫し、その後成長してもらい、また葉を摘み取ってというサイクルを繰り返して、なが〜く収穫可能です!

そのためには、収穫する際には葉を”綺麗に”摘み取りましょう!これが意外と手間がかかります。残してしまうと腐ってそこから病害虫発生の温床になってしまいます。また、新たに葉を出し続けてもらう養分を切らさないよう、定期的に追肥しましょう!(詳細は後述)

追肥

有機発酵肥料
ミネラル肥料

初収穫を終えたら、2~3週間おきに下記の追肥を始めます。次々と収穫する葉は、光合成器官そのものです。光合成に関係するミネラルである苦土やマンガンは必須の養分ですので、切らさないように気を付けましょう!

追肥
  • 有機発酵肥料50g/㎡
  • ミネラル類20g/㎡

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