ニンジン(人参)の有機栽培・育て方

根もの

日々の食卓に欠かせない”ニンジン”。煮物やカレー、炒め物はもちろん、サラダや人参ジュースにもできますよね!

今回は、日々の食卓に欠かせない”ニンジン”の育て方・栽培方法をご紹介します!

 



ニンジンとは…?

基本データ

科目セリ科
原産地中央アジア
連作障害あり(2~3年あける)
適正土壌酸度(pH)6.0~6.5
発芽適温15~25℃
生育適温15~20℃

ニンジンは中央アジアのアフガニスタン周辺が原産地とされています。アフガニスタンは内陸国で砂漠や乾燥地帯が多く、年間降水量は300mm程度と少なく年間を通じて非常に乾燥しています。12~3月の雨期と4~11月の乾期に分かれていて、まとまった降水があった時に「今だ!」と言わんばかりに一斉に発芽し、根を長く伸ばして少ない水分を蓄えながら成長します。

金太郎
金太郎

発芽したら土壌を乾燥気味にすると、水分を求めて深く太く根を伸ばしてくれそうだね!

栽培時期

中間地と暖地では春まきと夏まきの2つの作型があります。栽培期間は3~4か月ほどと長め。夏まきは適期が遅れると低温で肥大が止まってしまうので注意しましょう!

おすすめ品種

ニンジンは原産地であるアフガニスタン周辺から東西2つのルートによって世界中に広まったとされていて、伝播ルートによって大きく二つの系統に分けることができます。

西洋系ニンジン

一つは西洋系で、12~13世紀ごろにヨーロッパへ伝わり、オランダなどで品種改良が進みました。東洋系に比べて太く短いのが特徴で、現在の日本では西洋系が主流となっています。

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金太郎
金太郎

ロテンが多く甘味があり、抜群の食味のニンジン!春まきと夏まき兼用品種で扱いやすい。

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金太郎
金太郎

夏まき専用品種。肉質は柔らかく甘味も強くて非常に美味しいです!ぜひ収穫したてを皮付きのままガブッと食べていただきたい。食味は柿が近いかも…。低温でも肥大性に優れるので多少遅れても安心できます。

東洋系ニンジン

もう一つは東洋系で、インドや中国を経由して16~17世紀ごろに日本へ伝わったとされています。西洋系に比べて細長いのが特徴です。

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金太郎
金太郎

見事な濃紅赤色が出る金時人参!肉質は緻密でやわらかく甘味があり、香りも良いです。おせちはもちろん、煮物などにオススメな品種!長さは30cmほどになるため、深く耕しておくのを忘れずに!

 



栽培のポイント

  • 深くまでしっかり耕す
  • 石灰の量を調節し、根割れを防ぐ
  • 初期の葉数を多く確保し、首をしっかり太らせる
  • 種まき後はごく薄く土をかけ、乾燥させない

深くまでしっかり耕す

ニンジンは20~30cmほどの長さになるため、土づくりの段階ではしっかり深くまで耕すことを意識します。

+αで太陽熱養生も行うといいでしょう!団粒構造を発達させることによって、根がスッと地下に伸びるような環境。また、太陽熱養生は雑草対策にもなります。ニンジンの初期成育は驚くほど遅いです(笑)。何もしなければよーいドンで雑草の圧勝になってしまいますが、太陽熱養生をすることによってニンジンの敵を作りません。

石灰の量を調整し、根割れを防ぐ

ニンジン栽培時の敵は根割れです。これは秋・冬作での発生はあまりないですが、気持ち石灰を多めに施しましょう。

石灰が生育を引き締め、割れを抑えてくれます。

初期の葉数を多く確保し、首をしっかり太らせる

良いニンジンは首が太く、肩が張っています。

良いニンジンを栽培するためには、初期の葉数を多く確保し、首をしっかり太らせます。首をしっかりと太くできればおのずと大きく重量のあるニンジンに仕上がります。ですから、初期から肥料を効かすことができるような肥料設計にしましょう。

種まき後はごく薄く土をかけ、乾燥させない

ニンジンの発芽は難しく、「発芽させれば半分成功」といわれることもあります。これについては「種まき」で解説しますので、そちらをご覧ください。

 



土づくり

まずは土づくりです。事前に土づくりをしておいた畝に、幅95cm5列穴の黒マルチを張りましょう。鋤きこむ肥料は以下のとおりです。

  • 堆肥2kg/㎡
  • 卵殻200g/㎡
  • 有機発酵肥料200g/㎡
  • 魚粉100g/㎡
  • ミネラル類80g/㎡

種まき

土づくりが終わったら、種子を蒔きましょう!

ニンジンは「発芽させれば半分成功」なんて言われるほど発芽が難しい野菜のため、1つの穴に4~5粒蒔きましょう。

ニンジンの種子は好光性で、土はごく薄くかけるようにします。このため、非常に乾きやすいことから種まき後は不織布(稲わら等でも可)を被せ、毎日水を切らさずこまめに与えるようにします(これが諸悪の根源なんです…)。

秋冬作でニンジンを栽培しようとする場合、種まきは8月前後の夏真っ盛りの時にやらねばなりません。不織布に保水効果があるといっても、一瞬で乾きます(泣)。何度も何度も水やりをしましょう!農家さんはどうしているんですかね、スプリンクラーでも設置してるんですか(白目)?

種まき後は必ず防虫ネットをかけましょう!ニンジンは害虫が少ないとはいえ、アゲハやヨトウガの幼虫に食べられるので、かけておくと安心です。

生育過程

種まきから1か月後の様子

種まきから1か月でこんな感じです!

葉茎がしっかりしてきて、ニンジンらしくなってきましたね。この調子です。

種まきから1か月半後の様子

種まきから1か月半後でこんな感じです!マルチが見えないくらいに葉が茂ってきました!

根もの野菜というのは、野菜の出来が収穫までわからないのがもどかしいんです。ダイコンやカブなどは地表に顔を出しているのでおおよそ分かりますが、特にニンジンは顔すら出ないので本当に不安なんですよね…。

我慢できずに抜いちゃいました!!!

まだまだ細いけど順調に育ってくれています!食べてみると、めちゃくちゃ美味しくて感動しました。この1か月後に本格的に収穫することになるのですが、この時食べたこの子が一番おいしかったです←。

種まきから2か月半後の様子

種まきから2か月半後でこんな感じ。ちょうど根の肥大期で、肩がしっかり見えるようになってきました。もうすぐで収穫です…!

 



収穫!

種まきから約3か月、ついに収穫です!見てください、このボディーッ!冬の彩の少ない畑で、この鮮やかなオレンジ色が夕日に照らされて光り輝くんです。たまりません。

霜で痛み気味ですが、葉っぱもぴんぴんです。せっかく家庭菜園をするなら、葉っぱもいただきましょう!

収穫後は”皮つき”で生のままガブッとかぶりついてみてください!新鮮なニンジンは臭みもなく、本当に美味しいです。

冬に収穫期を迎える場合は、食べきれない分はそのまましばらく畑に残しておくこともできます。春までゆっくり頂きましょう~!

 



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