夏野菜といえば、やっぱりミニトマト!!
金太郎のめちゃくちゃ大好きな野菜の一つで、あれば食べちゃいます(笑)。そのまま食べられる手軽さもミニトマトの魅力の一つですよね。
今回は、みんな大好き”ミニトマト”の栽培方法・育て方をご紹介します!
品種選び
まずは品種選びです。まず、家庭菜園でトマトを栽培するなら、”ミニ”トマトがオススメです!大玉トマトの栽培は難しいため、失敗が少なく育てやすい中玉かミニトマトが良いでしょう。ここではミニトマトの品種をご紹介します。
ミニトマトは様々な色がありますので、色別にオススメ品種をご紹介します。
- 赤色→「ブレミアムルビー」(カネコ種苗)、「CF千果」(トキタ種苗)
- 黄色→「イエローミミ」(カネコ種苗)
- オレンジ色→「ピッコラ・カナリア」
栽培のポイント
ミニトマトは「実ものタイプ」の野菜に分類されます。以下で詳しく説明しているので、まずはこちらをご覧ください!
その上で、実ものタイプの中でも”ミニトマト”栽培でのポイントを以下のとおり補足します。
土は適度に湿らせておく
近年、トマトやミニトマト栽培などで糖度をあげるため、水を切る栽培方法が広がっています。
ところが、土を乾かすと有機チッソが硝酸に変わるため、せっかくの有機栽培のメリットが台無しになってしまいます。これが行き過ぎると、作物体内の炭水化物が減って、チッソ優先の育ちになり、収量・品質が低下し病害虫も増えます。また、土に硝酸が蓄積してくると、根が濃度障害を起こすこともあります。
ですので、土は適度に湿らせておくように心がけましょう。その程度は野菜ごとによって異なりますが、pFメーターを用いて1.8~2.5の適正範囲内を基準にすると良いです。このメーターが無い場合は、土を軽く握ると固まり、指で押すと崩れるくらいを目安にしても良いと思います。
ミネラル肥料で収量と品質アップ
せっかくミニトマトを栽培するからには、甘くて美味しいものが良いですよね!糖度の原資は炭水化物です。炭水化物を多く作ってもらうには、光合成をしっかり行ってもらう養分管理が基本です。
まず、養水分を吸収するのは根で、これを健全にしてくれるのは石灰です。他にも、苦土は葉緑素の中心物質ですし、鉄は葉緑素の生成や呼吸によるエネルギーの取り出しに、マンガンは二酸化炭素の吸収・還元に関係しています。
鉄はミニトマトの色にも関係しています。トマトの赤い色素は”リコピン”という抗酸化物質です。この色素の成分となっているのが鉄です。鉄を十分に施用しておくことで、色つやの良いミニトマトになります。また、鉄は味も濃くしてくれるので、ぜひ施用しておきたいですね!ミネラル肥料を選ぶ際には鉄が十分に含まれているか確認しておきましょう。単肥の場合は、元肥ではク溶性の酸化鉄、追肥には水溶性の硫酸鉄が良いでしょう。
これらのミネラル類のバランスが整ってこそ、光合成がしっかり行われて炭水化物が生産され、実に蓄積されていきます。元肥の段階で十分に鋤きこんでおくのはもちろんですが、生育過程で不足していないかどうかを日頃からチェックし、必要なら水溶性のミネラル肥料で追肥しましょう。
種まき&苗づくり
ミニトマトは5月上旬のゴールデンウイーク前後に苗を植え付けることを目指します。
苗から栽培する場合はその頃にホームセンターやネット通販を見ると、様々な品種が出回っているので、そこで購入しましょう。
種から栽培する場合は、3月下旬ごろに種まきをします。種まき・育苗の際は”育苗器”を用意しましょう!というのは、発芽の適温は20~30℃であるのに対し、この時期はそれを下回る寒さだからです。ミニトマトの種は非常に高いです!高いものでは、1粒100円するものもありますので、せっかく購入するからには確実に発芽・育苗させたいですもんね。
以下、種から栽培する場合をご紹介します。
種まき(3月下旬ごろ)
まず、200穴のセルトレイを用意し、育苗器に入る大きさに加工した上で、1穴に1粒ずつ蒔いていきます。
種を蒔いたら育苗器に入れます。前述のとおり、地温は20~30℃を保つように設定します。小型の地温計を複数個所に挿しておくと確認しやすいですよ。
日当たりのいい場所に置き、霧吹きで定期的に土を湿らせておくように気を付けましょう。
種まきから1週間後の様子
種まきから1週間ほどで発芽しました!お前、めちゃくちゃ可愛いな…。
育苗器にかけると地温が上がるため、土がとても乾きやすいです。引き続き注意深く水やりをしましょう。
種まきから3週間後の様子
種まきから3週間ほどで本葉が2枚ほど。大きくなってくれましたね!ここで鉢上げをします。
慎重にセルトレイから引き抜いて…
大きめのポットに植え替えます。植え替え後は育苗器に入れることができないので、予め育苗マットを用意しておきましょう。
この育苗マットの上に苗を置いてさらに育苗します。育苗マットは20~30℃程度の保温ができれば何でも構いません。
4月に入ると日中は30℃を超す日も出てきます。高温の日は昼間の電源を落としておきましょう。このような細かい調整が難しい場合は、サーモスタット機能があるものを選ぶと自動でON・OFFを切り替えてくれますよ。
ここで3週間ほど成長してもらい、やっとホームセンターで販売されているような苗となってくれます。
種まきから1か月半後の様子(苗から栽培の場合はここから)
種まきから1か月半でこんな感じ。本葉が4~5枚で、生長点に花蕾が見えてきたら、植え付け適期です!
ホームセンター等で選ぶ際は、上記の他に「節間が詰まっていて葉色が濃い」ものを基準にするといいと思いますよ!
土づくり
苗づくりと平行して、植え付けの2週間ほど前から土づくりを行いましょう。
畝幅は65cmとし、以下の肥料を鋤きこんでおきます。その畝に、幅95cmの黒マルチを張ります。
- 堆肥2kg/㎡
- 卵殻200g/㎡
- 有機発酵肥料100g/㎡
- ミネラル類70g/㎡
トマトは栽培期間が非常に長いです。その間に水分や養分をしっかりと蓄えておけるような土づくりが必要です。そのためには、C/N比の高い堆肥を施用して、予め太陽熱養生処理を行っておくといいでしょう。
植え付け
ゴールデンウイークがやってくる頃に、いよいよ植え付けです!
先述の苗づくりが完了、もしくはホームセンター等で苗を購入したら、45cm間隔に1列で植えていきます。この時、植え付けるために掘った穴に、一度水をたっぷりとあげましょう。水が引いたら、苗を植えて株元を軽く押さえてあげます。
植えたばかりの苗はまだ赤ん坊です。雨風に弱く、ちょっとしたことで折れてしまう可能性があります。苗から10cmほど横に支柱を立てて、誘引することで苗をしっかりと支えてあげましょう。この時、「茎に優しく、支柱に厳しく」が鉄則ですよ!
植え付け完了です!1畝の場合はここまでで大丈夫ですが、複数畝で栽培する場合はトンネル支柱仕立てにするといいですよ!
こんな感じでトマト用の支柱を立て、ネットを張ります。葉茎がネットの間に入り、風に強くなります。畝間が歩けることで作業性もアップしますし、ソバージュ栽培もできます(後述します)。また、夏の急なゲリラ豪雨や台風を乗り越えるために非常にオススメですよ!
わき芽かき&誘引
追肥
植え付けから1か月ほどで1房目の実が色づいてきました!このタイミングで追肥を開始しましょう!
トマトは栄養成長と生殖成長を同時並行で行う野菜であり、絶えず炭水化物が余るように心がけます。トマトの葉はチッソ分の増減によって変化することから、これを見て施肥の判断をします。
チッソ分が多いと葉の主脈部分が盛り上がるように巻き、トントンになると平らに、少なくなると凹んで葉の縁が上を向く。葉の状態を見て平らを維持できるようにしましょう。
施肥の種類と量は以下のとおりです。
- 有機発酵肥料50g/㎡
- ミネラル類20g/㎡
ただ、タイミングを把握するのは中々難しい場合は、1房目の実が付き始めたら3週間ごとに上記の施肥を行うとしても構いません。
収穫!
植え付けから1か月半ほどでいよいよ収穫です!
見てください、このつやつやのボディーッ!君はなんでそんなに美しいんだ、そんなに赤いと俺の顔まで赤くなっちまうだろ…。
赤の他にも黄色やオレンジなどを栽培しておくと、畑や食卓の彩も良くなり楽しいですよ!
下葉かき
トマトはグングン成長していきます。収穫が始まったら、その房より下の葉はどんどん取り除いていきましょう!
こうすることで、根からの栄養分が上へと向かいやすくなり成長を促すことができます。また、下葉は病害虫の発生源にもなるので、それを未然に防ぐ効果もあります。
はじめはもったいないと思いますが”心を鬼にして”下葉かきをしましょう!
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