皆さん、「スティックセニョール」ってご存知ですか?蕾ではなく、茎がメインの茎ブロッコリーなんです!アスパラガスのような食感でほんのり甘い新感覚の野菜で、家庭菜園でもぜひオススメしたい品種です!
本記事では、「スティックセニョール」の種まき〜収穫までの育て方・栽培方法について、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。

この記事は、以下のような人におすすめ!
- 家庭菜園でスティックセニョールを育ててみたい
- ブロッコリーのおすすめ品種を教えてほしい
この記事を読んで、一緒にスティックセニョールを育ててみましょう!
スティックセニョールとは


| 科名 | アブラナ科 |
| 発芽適温 | 20~25℃ |
| 生育適温 | 15~20℃ |
| 収穫までの期間 | 種まきから約90日 |
スティックセニョールは茎がスッと長く伸びるタイプのブロッコリーで、「茎ブロッコリー」とも呼ばれます。
ブロッコリーと中国野菜のカイランを掛け合わせて誕生した品種で、アスパラガスのようにシャキッとした食感にほんのり甘みが感じられ、とても美味しい野菜ですよ!
家庭菜園でスティックセニョールをおすすめする理由3つ
数あるブロッコリーの中でも「スティックセニョール」は家庭菜園でぜひオススメしたい野菜の一つ!その理由を順番に説明していきます。
①新感覚!茎が美味しい茎ブロッコリー
スティックセニョールは”茎”が美味しい茎ブロッコリーです!
通常、ブロッコリーは「蕾」を食べますが、スティックセニョールは「茎」をメインに楽しむ茎ブロッコリーです。茎はアスパラガスに似た食感でほんのり甘く、「ブロッコリーにこんな楽しみ方があったのか!」と驚かされる新感覚のブロッコリーです!
スーパー等にはあまり出回らない珍しい野菜なので、ぜひ家庭菜園でチャレンジしてみてください!

もちろん、先端の蕾も美味しいよ!
②長期間にわたって繰り返し収穫できる
スティックセニョールは長期間にわたって繰り返し収穫することができます!
一般的なブロッコリーは大きな花蕾を一発採りするスタイルですが、家庭菜園では何株も育てると収穫時期が重なって食べきれなくなるんですよね…。かと言って畑に置いておくと収穫適期を逃してしまいがちになります。
一方で、スティックセニョールは次々と伸ばしたわき芽を摘み取っていく収穫スタイルになります。一つ一つは小さく必要な分だけ収穫できます。また、一度収穫しても再びニョキニョキとわき芽が伸びてくるので、何度も収穫することが出来ますよ!
③暑さに強い

スティックセニョールは暑さに強いです!
秋まきの作型の場合、盆明け頃に植え付けることになりますが、近年は猛暑日がまだまだ続く頃ですよね…。そんな猛暑に耐えられるのかと心配になろうかと思いますが、スティックセニョールには耐暑性があるのでたくましく育ってくれますよ!

ただ、植え付け直後は弱い。雨の前を狙うなど植え付けタイミングは重要。
スティックセニョールの栽培時期

【栽培期間:90日~】
スティックセニョールには春まきと秋まきの2つの作型があります。順番に詳しく見ていきましょう!
春まき
| 種まき | 植え付け | 収穫! | |
| 始まり | 2/1 | 3/1 | 4/25~ |
| 終わり | 3/10 | 4/10 | 6/5~ |
春まきの場合は2/1〜3/10頃までに種まきします。育苗期間はポリポットで30日ほど。植え付け後55日ほどで収穫スタートが目安!2/1に種まきした場合は4/25から、3/10に種まきした場合は6/5から収穫できるイメージです!

3/15以降に種を蒔くと収穫期が暑すぎてかなり厳しい…。
秋まき
| 種まき | 植え付け | 収穫! | |
| 始まり | 7/20 | 8/20 | 10/15~ |
| 終わり | 8/10 | 9/10 | 11/5~ |
秋まきの場合は7/20〜8/10頃に種まきします。育苗期間はポリポットで30日ほど。植え付け後55日ほどで収穫スタートが目安!7/20に種まきした場合は10/15から、8/10に種まきした場合は11/5から収穫できるイメージです。

8/10以降に種まきすると霜が降りたりして収穫期間が確保できず、かなり厳しい…。
スティックセニョール栽培で準備するもの
- スティックセニョールの苗
- 元肥
- 堆肥 … 3ℓ/㎡
- 化成肥料 … 100g/㎡ (または有機発酵肥料 … 200g/㎡)
- かき殻石灰 … 150g/㎡
(種から育てる場合)
- スティックセニョールの種
- ポリポット(直径9cm)
- 育苗培土
スティックセニョールの種はどこで売ってる?
スティックセニョールの種は皆さんの身の回りのホームセンターやネット通販で販売されています。
ネット通販の場合は、以下より購入いただけます!
スティックセニョールの育て方6ステップ
スティックセニョールの具体的な育て方は以下のとおり。順番に詳しくご紹介していきます!
①育苗(種から育てる場合)
【育苗期間:3~4週間】
スティックセニョールを種から育てる場合の育苗方法を説明します。
少し育てる場合はポリポット、たくさん育てる場合はセルトレイを活用するのがオススメ!
- STEP①種まき


【発芽適温:20~25℃】
ポリポット(直径9cm)に育苗培土を入れ、種を3粒ずつ蒔きます。覆土をかけてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②間引き

本葉1~2枚の頃に、成長の良い株を1本残して残りを間引きます。
- STEP③育苗完了

本葉4~6枚になったら植え付け適期です。植えつけましょう!
- STEP①種まき


【発芽適温:20~25℃】
セルトレイ(128欠または200欠)に育苗培土を入れ、種を1粒ずつ蒔きます。覆土をかけてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②育苗完了

本葉2~3枚ほどになったら植え付け適期です。植えつけましょう!
育苗については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
②土づくり

種まきの1週間前までをメドに、元肥として以下をすき込んでおきます。
- 堆肥 3ℓ/㎡
- 化成肥料 100g/㎡(または有機発酵肥料 200g/㎡)
- かき殻石灰 150g/㎡


元肥をすき込んだら幅65cmの畝を立て、マルチを張ります。春まきでは地温を確保できる「黒マルチ」、秋まきでは地温上昇を抑えられる「白マルチ」がおすすめ!
時間があれば「太陽熱養生処理」をしておきましょう!詳しく解説している記事がありますので、参考にしてみてください。
③植え付け


【生育適温:15~20℃】
畝幅65cmの場合、スティックセニョールの植え方は1列45cm間隔とします。植え付け穴を掘り、そこに水をたっぷりやります。水が引いたら、苗を植え付けましょう!
植え付けの際、水にリキダスを入れると活着が良くなります!詳しくは以下の記事で解説しています。
④病害虫対策

スティックセニョールは病害虫が発生しやすい野菜です。害虫・病気とも早め早めに対策を講じましょう!
害虫対策
葉を食べる系害虫:ヨトウムシ、コナガ、ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)など
養分を吸う系害虫:アブラムシなど
スティックセニョールにはヨトウムシやコナガなどのチョウ目害虫が発生しやすいです。特にヨトウムシが発生すると葉をバリバリ食べられるので要注意!


家庭菜園での対策としては、「防虫ネット」と「ゼンターリ」がオススメ!
防虫ネットを張ると害虫の侵入を物理的に防ぐことができます。防虫ネットの張り方は以下の記事で詳しく解説しています。

植え付け後、すぐに防虫ネットを張ってしまうのがオススメ!
ゼンターリはBT菌を有効成分として生物農薬で、ヨトウムシなどのチョウ目害虫に有効です。野菜類で登録があり、有機栽培でも使用することができますよ!
病気対策
カビ(糸状菌)の病気:根こぶ病、黒腐病、黒斑細菌病、軟腐病など
スティックセニョールを含むブロッコリーは害虫のイメージが強いですが、病気への対策ももちろん重要です。
家庭菜園での対策としては、Zボルドーの散布がオススメ!糸状菌から細菌による病気まで幅広い病気の予防に有効で、野菜類で登録があり、有機栽培でも使用することができます。
⑤摘芯


生育が進むと、株の先端に小さな花蕾が出来てきます。この花蕾が500円玉ほどの大きさになったら摘芯しましょう!

えっ、なんで摘芯しちゃうの…?

わき芽を伸ばすためだよ!

スティックセニョールは「わき芽」を食べる野菜です。先端の花蕾を摘芯することで、わき芽が次々と伸びてくるようになります!

ちなみに、摘芯した花蕾はもちろん食べられるよ。
⑥収穫!

スティックセニョールはわき芽の長さが15~20cmになったら収穫適期です!
スティックセニョールは1株からわき芽が15本くらい収穫することができます。わき芽は一度に伸びてくるわけではなく順番に伸びてくるので、食べきれずに困ることもありません。長く収穫を楽しみましょう~!

どんどん伸びてくると言っても、いっぺんに収穫できる訳ではなく
まとめ:スティックセニョール栽培で大切なこと
ここまで、スティックセニョールの育て方をご紹介しました。
スティックセニョールは次々と伸びたわき芽の”茎”を楽しむ「茎ブロッコリー」
茎はアスパラガスに似たシャキッとした食感でほんのり甘くて美味しい
防虫ネットを張るなど病害虫対策は万全に
先端の花蕾が500円玉サイズになったら摘芯
わき芽が15~20cmくらいで収穫適期!長く収穫を楽しめる
スティックセニョールは「茎」を楽しむ新感覚のブロッコリーです!何回も収穫できるので、育てる楽しみを感じやすい野菜でもあります。害虫は多く付きますが、しっかり対策すれば大丈夫!家庭菜園でもオススメできる野菜の一つです。
ぜひ本記事を参考にスティックセニョールを育ててみましょう!







