漬け物でおなじみの”らっきょう”。特に甘酢漬けは気づくとついついパクパク食べちゃうんですよね…笑。
今回は、そんならっきょうの栽培方法・育て方をご紹介します!

この記事は、以下のような人におすすめ!
- らっきょうを育ててみたい
- らっきょうの植え付け時期や収穫時期を知りたい
- らっきょうとエシャレットとの違いは?
らっきょうは栽培期間が長いですが、ほとんど手間がかからないため家庭菜園初心者でも簡単に栽培することができます。
この記事を読んで、一緒にらっきょうを育ててみましょう!
らっきょうとは

らっきょうはユリ科の多年草の野菜で、地下の茎が膨らんだ「鱗茎(りんけい)」を食べます。分けつする性質を利用して、1つの親球から10個程度の新しいらっきょうを収穫します!
ネギやニンニクの仲間ということもあり、強い辛味と風味があります。また、シャキッとした歯ごたえがたまりませんよ…!

ちょっと僕には辛いかも…。
らっきょうとエシャレットとの違いは?

らっきょうとエシャレット、どちらも聞いたことはあっても違いが分からない方も多いのではないでしょうか…?
らっきょうとエシャレットは同じ品種ですが、収穫時期が異なります。
らっきょうは6月頃に収穫する一方、エシャレットは3月下旬~4月上旬が収穫適期です。3月下旬~4月上旬では葉がまだピンピンしているので、葉付きのまま収穫します。このことから、エシャレットは「ラッキョウの若どり」とも言われています。
エシャレットは辛味や風味がらっきょうよりマイルドです。生のまま食べられるので、味噌やマヨネーズをつけてそのままでも良いですし、葉は薬味など料理のアクセントにするのがおすすめ!

ちなみに、「エシャレット」と「エシャロット」は一文字違いだけど別の野菜。エシャロットは小型のタマネギのことで、フランス料理で使われたりする。
らっきょうの栽培時期はいつ?

らっきょうの最適な植え付け時期は、中間地で9月上旬~10月上旬。球根をそのまま植え付け、越冬させます。翌春、気温が上がるにつれてぐんぐん成長し、6月頃にぷっくり太ったラッキョウを収穫します。
3月下旬~4月上旬頃に若どりするとエシャレットとして楽しめます。
らっきょうを栽培するメリット
らっきょうは様々な魅力を持った野菜です。下記について順番に説明します!
非常に丈夫で育てやすく、家庭菜園初心者でも簡単!
らっきょうは土壌への適応性が広く、やせ地でも良く育ちます。冬の寒さにも強く、全国各地で栽培することができます。
一度植え付けたらあまり管理作業はなく、病害虫の発生も少ないため、家庭菜園初心者でも簡単に栽培することができます!
生活習慣病予防にも!らっきょうの栄養効果
らっきょうは、食物繊維、硫化アリル(アリシン)、カリウムなどを豊富に含んでいる野菜です。便秘解消や動脈硬化の予防、むくみ予防などの効果が期待できます。

漬け物になっているものは糖分や塩分が多いので、食べすぎ注意!
ほんの一時期しか出回らないエシャレットが楽しめる
エシャレットの旬は3月下旬~4月上旬とほんの一瞬で、スーパーでも中々出回りません。家庭菜園で育てれば自分の好きなタイミングで収穫できるので、貴重なエシャレットの旬も楽しむことができますよ!
ラッキョウの具体的な育て方
それでは、ラッキョウを育てていきましょう!
具体的な育て方は以下のとおりです。順番に詳しくご紹介していきます!
1.種球の準備

ラッキョウの種球はホームセンターや以下のようなネット通販等で購入できます。植え付けまでに準備をしておいてください。
スーパー等で食品として販売されているラッキョウは、消毒されておらずウイルス病を持っていたり、棚持ちが良いように発芽しにくい処理がされている可能性があります。
ラッキョウを植え付ける際は、「種球」として販売されているものを購入してください!
2.土づくり
- STEP①
植え付けの1週間ほど前に以下の肥料をすきこみます。
土づくり時にすきこむ肥料- 堆肥 2kg/㎡
- 卵殻 100g/㎡
- 発酵有機肥料 200g/㎡
- ミネラル肥料 60g/㎡
- STEP②
幅65cmの畝を立て、その上に幅95cmで5列穴の黒マルチを張っておきます。
時間があれば「太陽熱養生処理」をしておきましょう!詳しく解説している記事がありますので、参考にしてみてください。

太陽熱養生処理をすれば、あっという間に団粒構造の発達した”良い土”ができるよ!
3.植え付け

準備した種球のとがった方を上にして、先端が少し見えるくらいの深さに植えます。
5列すべての穴に1~2球ずつ植え付けてください!1球ずつ植え付けると数は少ないですが大粒のラッキョウを、2球ずつ植え付けると数は多いですが小粒のラッキョウを収穫することができます。どんなラッキョウを収穫したいかイメージしながら植え付けてみてください!
4.追肥

3月に入ると気温が徐々に上がり、それまで成長を止めていたラッキョウがぐんぐんと成長し始めます。このタイミングで以下を追肥し、その成長を後押ししましょう!追肥はこの1回のみで十分です。
- 発酵有機肥料 50g/㎡
- ミネラル肥料 20g/㎡

ラッキョウを大きく育てるには、栄養を送り込む”源”となる葉をまずは充実させることが重要。忘れずに追肥しよう!
5.エシャレットとして若採り収穫!

3月下旬~4月上旬、葉っぱはまだ青々としていますが、ここでらっきょうを若採りすると「エシャレット」として楽しむことができます!
らっきょうとエシャレットとの違いはこちらで説明しています。
6.らっきょうとして収穫!

6月に入り、葉が徐々に枯れ始めてきたら収穫適期です!
らっきょうを傷つけないよう、スコップで丁寧に掘り起こして収穫しましょう!

いやー、長かったけどようやく収穫だね!
らっきょうの収穫時期の見分け方

らっきょうは葉の先端が徐々に枯れ始めてきたら収穫時期です!
この時期には葉で作られた栄養が地下の「鱗茎」という可食部に貯め込まれている訳ですが、栄養を送り尽くすと葉が枯れ始めてきます。これが収穫時期のサインです!
らっきょうは過湿が苦手のため、梅雨入りする前に収穫を終えるのが一般的です。しかし、近年は温暖化の影響で梅雨入りが早まることも多く、これでは収穫時期と梅雨が重なってしまい、病害虫が発生したり収穫後に腐敗する可能性が高まります。
天気予報をよく見ながら、梅雨入りする前に収穫を終えるようにしてください!
らっきょうの保存方法
せっかく育てたらっきょうは、長く保存したいですよね?らっきょうを保存する方法を説明します。
- STEP①
らっきょうの収穫が終わったら、茎と根を切り落とします。
- STEP②
切り口を十分に乾燥させ、風通しの良い冷暗所で保存してください。切り口が十分に乾燥していないと、そこから病原菌が入る恐れがありますので注意しましょう。
これでしばらくは保存することができますが、保存している間にも芽を出し始めて成長してしまいます。放っておくと味も落ちてしまいますので、まとめて漬け物にしてしまうなど、早めに料理をするようにしてください!
らっきょうの育て方のコツと注意点
らっきょうの育て方のコツと注意点は以下のとおりです。順番にご紹介していきます!
過湿が苦手!水はけの良い土づくりを
らっきょう栽培では、水はけの良い土づくりを心がけましょう!
らっきょうの原産とされている中国のヒマラヤ地方は、降水量が少なく乾燥気味の気候です。ですので、日本のような降水量の多い高温多湿な気候は苦手で、特に過湿を嫌います。欠株になった穴を掘り返すと、種球が腐っていたなんてこともざらに…。
水はけがあまり良くない土質の場合は、畝を高くするなどして水はけの良い環境を作ってあげましょう!
団粒構造を発達させた水はけの良い土づくりの方法は以下で解説しています。
寒さで枯れてしまうかも?冬前は生育を抑えめに
冬越しの際は、らっきょうの生育が進み過ぎないよう注意してください。
生育が進んだ状態で冬を迎えると、寒さで枯れてしまう可能性があります。適期より早く植え付けてしまったり、栽培初期から肥料が効きすぎると生育が早く進んでしまい、寒さに弱くなってしまいます。
一株でも無事に冬越しできるよう、適期での植え付けや元肥の量はしっかり守るようにしてください。
春先の追肥で球を大きく太らせる
らっきょうを大きく太らせるには、葉茎を大きく充実させる栄養成長から、鱗茎部の肥大のための成長へスムーズに切り替えてもらうことが重要です。
らっきょうは、「鱗茎(りんけい)」という地下の茎が膨らんだ部分に栄養を貯め込みます。この栄養は地上に展開した葉で作られるので、葉を大きく充実させるとその分、光合成によって作られる栄養が多くなり、鱗茎が肥大しやすいということです。
では、春先に追肥を多くあげれば良いのかというと、そうでもありません。チッソが長く効き続けるとだらだらと栄養成長が進み、疑似生殖成長がいつまでも始まりません。
春先の追肥では、即効性があり肥効がサッと切れる資材を使いましょう!化成肥料や鶏糞などがオススメですよ。
らっきょうの育て方まとめ
ここまで、らっきょうの育て方をご紹介しました。
栽培期間は長いが、とても丈夫で家庭菜園初心者でも育てやすい
過湿は苦手!水はけの良い土づくりを心がける
春先の追肥で葉茎を大きく成長させる
栄養成長から疑似生殖成長へスムーズに切り替えをしてしっかり太らせる
らっきょうは栽培期間が長い野菜ですが、そこまで手をかけることなく立派に育ってくれます。
ぜひ本記事を参考にらっきょうを育ててみましょう!