皆さん、「もものすけ」を知っていますか?手で皮がむけて、やわらかい果肉で甘くてジューシーな”桃”なんです!!嘘ですよ!(笑)。金太郎に騙されないでくださいね。もものすけは桃ではなく、「カブ」の一つですが、まるで桃のような特徴を持つユニークな野菜なんです。
今回は、魅惑のカブ「もものすけ」の有機栽培・育て方をご紹介します!
もものすけってどんな品種?
- 手で皮がむける「サラダカブ」
- 肉質はとても柔らかで、甘みもある多汁質
- 播種後2か月弱で8cmほどの中カブ、12cmほどの大カブにも
今までこんな特徴を持ったカブがあったでしょうか。このもものすけをはじめ、ナント種苗さんが開発する品種にはいつもワクワクさせられます!
いわゆる一般的な「カブ」の有機栽培・育て方については以下のページで紹介しておりますが、中でももものすけは大好き過ぎる品種なので、本ページで別立てしてご紹介する次第です。
種は以下より購入いただけます!
栽培のポイント
- 生育初期で葉茎を充実させる
- 石灰の量を調節し、根割れを防ぐ
カブをはじめ、根もの系の野菜でのポイントは上の2つです。
生育初期で葉茎を充実させる
可食部である根は、葉や茎で作られた養分を蓄えて大きく肥大することになります。そのため、まずは初期に葉を大きく、また枚数も充実させることによって盛んに光合成を行ってもらうことを狙います。
そこで、根が肥大してくる頃までを目安に、比較的即効性高いのチッソを効かせられるような肥料を選び、初期からしっかり肥料分を効かすことで、初期成育を進め、いわゆる可食部分の”カブ”に栄養を届ける”源”を整えます。
石灰の量を調節し、根割れを防ぐ
石灰もしっかり施します。石灰は根の表皮を守る重要なミネラルで、土壌病害虫の被害を防ぎます。表面が虫なんかにかじられていると嫌ですもんね(実際には糖度もあるせいか、防ぎきるのは難しいです…)。
土づくり
まず種まきの2週間ほど前に土づくりを済ませておきます。鋤きこむ肥料は以下のとおりです。
- 堆肥2kg/㎡
- 卵殻200g/㎡
- 発酵有機肥料200g/㎡
- ミネラル類60g/㎡
可能であれば、太陽熱養生処理もしておきましょう!
種まき
それでは種を蒔いていきましょう!
あらかじめ土づくりをしておいた畝に、幅95cmで5列15cm間隔で穴のあいた黒マルチを張ります。
種まきは9月中が適期です。1穴に2~3粒ずつ蒔き、種が隠れるくらい土をかけ、軽く鎮圧します。その後はたっぷりと水をあげ、すぐに防虫ネットをかけましょう!ここから収穫まで防虫ネットは外しません。
生育過程
種まきから2週間後
発芽が揃ってくれて、本葉が1~2枚ほどになってきました。すでに根もとは赤くて可愛らしいですね。
種まきから1か月後
種まきから1か月でこんな感じです!茎や葉っぱがガッチリしてますね。この大きな葉っぱが、立派なカブに成長させるためには欠かせません。
ちなみに、もものすけの隣に「白馬」という白カブも栽培しています。同じカブですが、葉っぱの色がご覧のとおり異なります。もものすけは薄く、白馬は濃い色です。
こちらの写真からは、背の高さに違いがあることが分かります。何品種か栽培していると、このような気づきもあって楽しいですね。
種まきから1か月半後
いよいよ”カブ”が大きくなり始めました!肥大期には十分な水分量が欠かせませんので、あまり雨が降らないようなら水をあげてください。
収穫!
種まきから2か月ほどで収穫です!
この瞬間が、たまらない。
嬉しいことに、マルチの穴よりカブが大きいので、ビニールを伸ばして引っ張り出します。
洗ってみました。見てください、このボディーッ!たまりませんね。
いざ実食!
それでは試食です!まず、茎の付け根を切ってみました。濃いピンク色の皮の中に、桃が詰まっています(嘘です)。
いや、でも本当に桃のような見た目です。
食べやすい大きさに切ってみました。種袋には「皮がペロッと剥ける」なんて書いてありましたけど、本当なのか…?えっ、この濃いピンクの皮が…?
本当です。
想像していた以上に簡単に綺麗に剥けてびっくりしますよ(笑)。初めて皮をむいてみると、結構楽しいです。濃いピンクの皮と白い果肉の間に爪を入れるのがコツですかね。
生のまま食べてみると、結構うまいです!辛味がほとんどなく、甘みもありジューシー!さすがに桃のような甘さは無いですが(笑)。
栽培の方法によってはもっともっと糖度を上げられるんでしょうか。これは次作の課題とさせていただきたいと思います!
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