シュンギク(春菊)の有機栽培・育て方

葉もの

菊のような強い香りとほろ苦さが特徴の”シュンギク(春菊)”。すき焼きや冬の鍋物の具材としても欠かせませんよね。このように加熱して食べるのが一般的ですが、サラダ用の品種もあるんですよ!

ということで、秋冬の間には畑に置いておきたいシュンギク(春菊)の有機栽培・育て方をご紹介します!

 



シュンギク(春菊)とは…?

基本データ

科目キク科
原産地地中海沿岸
連作障害あり(1~2年あける)
適正土壌酸度pH6.0~6.5
発芽適温15~20℃
生育適温15~20℃

シュンギク(春菊)の原産地は地中海沿岸で涼しい気候を好みますが、暑さや寒さにも比較的強いです。

金太郎
金太郎

ヨーロッパではあの独特の香りが好まれずに観賞用として栽培されているらしい。食べているのは日本をはじめ、中国やインドなどのアジア地域のみ。

シュンギク(春菊)は「葉ものタイプ」の野菜に分類されます。葉ものタイプの有機栽培・育て方のコツについては以下の記事で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください!

栽培時期

主に春まきと秋まきの2パターンがあります。涼しい気候を好みますし、鍋の具材としての利用を考えると、秋まきの方がオススメです!

 



おすすめ品種

金太郎
金太郎

生でも美味しく食べられる”サラダ春菊”。シュンギク(春菊)特有の独特な香りがキツくなく、まろやかな味わい。葉は厚みもあり、サラダに入れると存在感が出る。鍋にさっとくぐらせ、シャキッとした食感が残るくらいで食べてもGood!

くま吉
くま吉

これまであの独特な香りが苦手であまり食べられなかったけど、きくまろは本当に食べやすくて今では大好きになったよ!

 



種まき

ポットで育苗する場合、まずは200欠のセルトレイを用意して1穴につき3粒ずつ蒔きましょう。その上に覆土をして、水をたっぷりとやって完了です!

金太郎
金太郎

シュンギク(春菊)は好光性種子発芽には十分な光も必要なため、覆土はごく薄く(種が見えるか見えないか位)かけましょう!

くま吉
くま吉

覆土が薄いと乾燥しやすいから、こまめに水をあげなきゃね!

育苗

種まきから3週間後の様子

種まきから3週間でこんな感じです!シュンギク(春菊)はアブラナ科の野菜と比べて成長がやや遅め。もう少しおいて成長させます。

本葉が5~6枚ほどになったら植え付け適期です!

 



土づくり

育苗と並行して土づくりをしておきましょう。

植え付けの1週間ほど前に以下の肥料を鋤きこみ、幅65cmの畝を立てます。できれば太陽熱養生処理もしておくと良いでしょう。その後、植え付けまでに幅95cmで5列穴の黒マルチを張っておきます。

  • 堆肥 2kg/㎡
  • 卵殻 200g/㎡
  • 有機発酵肥料 200g/㎡
  • ミネラル肥料 60g/㎡
有機栽培のポイント
太陽熱養生処理の様子

土づくりにおける1丁目1番地は「団粒構造の発達」です。いくら良い肥料をやったところで、それを根が吸収してくれなければ意味がありません。野菜たちにはのびのびと健康に育ってもらいたい。そのために、土づくりでは通気性や保水性、排水性をもたらす団粒構造を発達させましょう。その手法としてオススメなのは「太陽熱養生処理」です。

 



植え付け

予め張っておいた黒マルチの全ての穴に苗を植え付けていきます。セルトレイから苗を引き出す際には、根がかなりはみ出ているかと思いますので、できるだけ傷つけないように注意しましょう!

くま吉
くま吉

間引きはしないの?

金太郎
金太郎

間引きはしないよ。1穴に3株程度であれば問題なく成長してくれるし、やや密植気味にした方が野菜が硬くならない。手間もかけたくないしね!

植え付け後は根元を軽く押さえて水をたっぷりとあげ、速攻で防虫ネットをかけてください!あとは収穫まで見守るのみです。

有機栽培のポイント
防虫ネット

害虫は苗を植え付けた直後からどこからともなくやって来ます。であれば、植え付けたら速攻で防虫ネットをかけてしまいましょう!害虫に見つからないうちに物理的に野菜を守れば、殺虫剤を散布する必要はありません。金太郎流では「防虫ネットは種まきから収穫まで」が鉄則です!

生育過程

植え付けから3週間後の様子

植え付けから3週間でこんな感じです。アブラナ科の野菜と比較するとやはり成長がゆっくりですが、葉の色が濃くなり、厚みも増しています。

くま吉
くま吉

あと一息だ!頑張れ!

 



収穫!

植え付けから1か月、種まきから2か月弱でついに収穫です!いやー、成長がちょっと遅かったので心配しましたが、無事に大きくなってくれました。

シュンギク(春菊)の収穫方法は2つあります

  • 株ごと収穫
  • 摘み取り収穫

株ごと収穫」は、根元から丸ごと収穫する方法です。一般的な葉もの野菜と同様ですね。

一方で「摘み取り収穫」は根元の葉を3~4枚ほど残して主枝を収穫する方法です。根元の葉を残すことで、主枝と葉の間から”わき芽”が次々と生えてきます。このわき芽がある程度伸びてきたら、また根元の葉を残して収穫することで長期間にわたって何回も収穫できるので、家庭菜園ではオススメですよ!

くま吉
くま吉

何回も収穫して、何回も鍋を作っちゃおう…。

 



追肥

有機発酵肥料
ミネラル肥料

前述の収穫方法のうち「株ごと収穫」する方法の場合は、元肥だけで栽培することができます。しかし、「摘み取り収穫」する方法の場合は、追肥が必要となってきます。摘み取りの度に以下の肥料を追肥しましょう。こうすることで、長く楽しめますよ!

  • 有機発酵肥料 100g/㎡
  • ミネラル肥料 60g/㎡
金太郎
金太郎

シュンギク(春菊)は”葉”を収穫する野菜。葉は光合成器官そのものであるため、これを収穫すると光合成によって生成される炭水化物量が少なくなり、成長が鈍くなる

これを防ぐために炭水化物をもったチッソ肥料である有機発酵肥料を追肥する訳だね。

くま吉
くま吉

ということは、光合成を行う葉緑素の中核物質であるマグネシウムをはじめ、ミネラル肥料も追肥しなきゃいけないね。

 



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