夏の家庭菜園に必ずいて欲しい野菜、トウモロコシ!頬張るとジューシーな果汁と甘い香りが口いっぱいに広がるのがたまりません…。
そんなトウモロコシですが、「育て方が分からない」「植え方が分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、トウモロコシの種まき~植え方~収穫までの育て方・栽培方法について、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。

この記事は、以下のような人におすすめ!
- 家庭菜園でトウモロコシを育ててみたい
- トウモロコシの植え方を知りたい
- いつ追肥すれば良いか分からない
この記事を読んで、一緒にトウモロコシを育ててみましょう!
トウモロコシとは


科名 | イネ科 |
原産地 | アメリカ大陸 |
発芽適温 | 25~30℃ |
生育適温 | 25~28℃ |
収穫までの期間 | 種まき後:2か月半~3か月 植え付け後:2か月~2か月半 |
トウモロコシはイネ科野菜の一つ。葉や茎を大きく成長させた後、茎に付いた雌花(いわゆるトウモロコシ)を受粉させ、でっぷり太らせて収穫していきます!
家庭菜園でトウモロコシをオススメする理由3つ
トウモロコシは家庭菜園でもぜひおススメしたい野菜の一つ。その理由を順番に説明していきます!
①病害虫に強く育てやすい

トウモロコシは家庭菜園でも育てやすい野菜の一つです!
トウモロコシは病害虫に強いため、比較的丈夫に育ってくれます。また、生育旺盛で自らぐんぐん成長してくれるので育てやすいですよ!
②猛暑にも耐えられる

トウモロコシは猛暑にも負けません!
35℃以上の猛暑日が毎日のように続く夏でも、トウモロコシにとってはどこ吹く風。夏野菜ですら猛暑でやられる中、安心して栽培できる貴重な野菜の一つです!
③朝採れトウモロコシを堪能できる!

家庭菜園すれば、朝採れの甘~いトウモロコシを堪能することができます!
トウモロコシは昼間に光合成して作った糖分を夜間に実へ蓄え、日が昇ったらその一部をエネルギーとして消費します。そのため、エネルギーとして消費される直前の「日の出前後」が糖分たっぷりで一番甘い状態という訳です。
家庭菜園をすればこのタイミングを逃さず収穫することができます!また、トウモロコシは収穫するとどんどん鮮度が落ちてしまいますが、収穫後すぐに食べられるのも家庭菜園ならではの醍醐味ですよね!

こりゃ家庭菜園した人の特権だな!
トウモロコシの栽培時期

【栽培期間:2か月半~3か月】
トウモロコシは低温に弱いため、気温が十分に上がるゴールデンウィーク前後で種まきをします。植え付け後、生育前半は葉や茎を大きく成長させ、後半に入ると花を咲かせて実を太らせていきます。受粉してから1か月ほどで収穫!といったイメージです。
トウモロコシ栽培で準備するもの
- トウモロコシの苗
- 元肥
- 堆肥 … 3ℓ/㎡
- 化成肥料 … 100g/㎡ (または有機発酵肥料 … 200g/㎡)
- かき殻石灰 … 150g/㎡
(種から育てる場合)
- トウモロコシの種
- ポリポット(直径9cm)またはセルトレイ(128欠または200欠)
- 育苗培土
トウモロコシのおすすめ品種
金太郎のオススメは「ゴールドラッシュ90」です!
種まきから約90日ほどで収穫できる品種。通常の作型はもちろんのこと、耐暑性があるので「秋トウモロコシ」(夏まき~秋収穫の作型)としても栽培できるのが嬉しいところ。根張りが良いので、台風や強風が来ても倒れにくく栽培もしやすいです。

家庭菜園だと種がいつも余るから、春も夏も種まきできるのは嬉しい!
トウモロコシの育て方8ステップ
トウモロコシの具体的な育て方は以下のとおり。順番に詳しくご紹介していきます!
①育苗(種から育てる場合)
【育苗期間:3週間】
トウモロコシを種から育てる場合の育苗方法を説明します。
少し育てる場合はポリポット、たくさん育てる場合はセルトレイを活用するのがオススメ!
- STEP①種まき
【発芽適温:25~30℃】
用意したポリポット(直径9cm)に育苗培土を入れ、種を3粒ずつ蒔く。約5mm~1cmの覆土をして水をたっぷりやり、発芽適温を確保します。
- STEP②間引き
種まきから1週間ほどで発芽が揃います。本葉1~2枚の頃に、成長の良い株を1本残して残りを間引きます。
- STEP③育苗完了
本葉3~4枚になったら植え付け適期です。植えつけましょう!
- STEP①種まき
【発芽適温:25~30℃】
用意したセルトレイ(128欠または200欠)に育苗培土を入れ、種を1粒ずつ蒔きます。約5mm~1cmの覆土をして水をたっぷりやり、発芽適温を確保します。
- STEP②育苗完了
本葉2~3枚ほどになったら植え付け適期です。植えつけましょう!
育苗については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
②土づくり

植え付けの1週間前までをメドに、元肥として以下をすき込んでおきます。
- 堆肥 3ℓ/㎡
- 化成肥料 100g/㎡(または有機発酵肥料 200g/㎡)
- かき殻石灰 150g/㎡


元肥をすき込んだら、幅65cmの畝を立てマルチを張ります。トウモロコシは暑さが好きなので、地温を確保できる「黒マルチ」がオススメ!

「秋トウモロコシ」として抑制栽培する場合は、白マルチがオススメ。
時間があれば「太陽熱養生処理」をしておきましょう!詳しく解説している記事がありますので、参考にしてみてください。
③植え付け(または直まき)


【生育適温:20~28℃】
トウモロコシの生育適温は高めなため、気温が十分に高くなるのを待ってから苗を植え付けます。中間地ではゴールデンウィーク以降に植えるのが一般的です。
畝幅65cmの場合、植え方は2列30cm間隔とします。植え付け穴を掘り、そこに水をたっぷりやります。水が引いたら、苗を植え付けましょう!
植え付けの際、水にリキダスを入れると活着が良くなります!詳しくは以下の記事で解説しています。
畑に直まきする場合


【発芽適温:25~30℃】
畑に直まきする場合、準備した畝に2列30cm間隔で種を3粒ずつ蒔きます。その後、覆土をしてしっかり鎮圧し、水をたっぷりあげます。
以降は育苗した場合(ポリポットの方)と同様の手順です。本葉1~2枚の頃、生育の良い株を1本だけ残し他は間引きます。
④害虫対策


トウモロコシ栽培における最重要指名手配害虫は、「アワノメイガ」です。トウモロコシの雄花から侵入し、放っておくと実が食い荒らされてしまいます…。

何も対策しないと、ほとんど食い荒らされるんだよな…。


アワノメイガ対策としておすすめする農薬は「デナポン」!
出始めた直後の雄花と雌花にそれぞれパラパラと撒くと、アワノメイガの侵入を防ぐことができます。
⑤追肥


トウモロコシの雄花が出始める頃は、追肥のタイミングでもあります!以下を追肥しておきましょう。
- 化成肥料 … 50g/㎡(または発酵有機肥料 … 100g/㎡)

この頃には根がかなり広がっているので、通路にパラパラと追肥すればOK!
⑥人工受粉


トウモロコシの雄花が咲いたら、人工授粉をしましょう!
トウモロコシは自分の株の花粉では受粉しにくいため、他の株の花粉で受粉してもらいます。晴れで少し風のある日を選び、雄花を揺らして花粉を周りに拡散させてください!

受粉しやすくなるよう、トウモロコシは2列以上でまとめて栽培すると良いよ!

雄花はアワノメイガを引き寄せる原因になってしまいますので、人工授粉が終わったら雄花は切り取ってしまいましょう!
⑦摘果

トウモロコシは1株につき1果に制限します。
2~3つの実が付きますが、放っておくと養分が分散して1つ1つが小さく甘さも足りなくなってしまいます。ここは心を鬼にして、一番上の実以外を摘果してください。

プロ農家は1株で2つ収穫したりするけど、家庭菜園では1つにするのが無難。


ちなみに、摘果した実はヤングコーンとして食べられます!ほんのり甘くて美味しいですよ。
⑧収穫!

【受粉~収穫までの日数:25日ほど】
ひげがこげ茶色にチリチリとしてきたら、いよいよ収穫適期です!
収穫は朝一番がオススメ!昼間の光合成で作られた糖分が夜中に実へ蓄積されて、一番甘い状態になっています。


実をしっかり持ち、茎と反対方向へ水平に倒すと簡単に収穫できます。

なんて美しい黄金色なんだ…。これまでずっと緑色の皮に包まれた実しか見てこなかったので、いざ収穫して皮をめくった先にこんなに綺麗な実がぎっしり詰まっているともう…感激です…!良くここまで育ってくれました!!
収穫後は鮮度がどんどん落ちていくので、なるべく早めに召し上がってください!
トウモロコシ栽培で知っておきたい注意点2つ
ここまでトウモロコシの育て方などを解説してきましたが、栽培する上で知っておきたい注意点がいくつかあります。
①分けつは取らなくてOK!

トウモロコシの分けつは取らなくてOK!
苗を植え付け後、ある程度大きくなってくると主茎の脇から「分けつ」が出てきます。この分けつを残しておくと光合成量が増えるとともに根張りも良くなり、強風に耐えやすくなります。
ただし、分けつに雌花が付いた場合は、栄養が分散しないよう摘果するようにしてください。

家庭菜園では1株1果が無難。
②獣害対策は必ず行って!

トウモロコシ栽培では、必ず獣害対策をしてください!
トウモロコシの実が徐々に大きくなってきて、どれどれどれと畑に様子を見に行くと、トウモロコシが無惨な姿になっていることも…。しかもたちが悪いことに、「明日の朝収穫しよう!」と考えた翌日に、食い荒らされていたことが何回あったことか…。

奴らに心を読まれているとしか言いようがないナ…。ただ、手やお金のかかる対策はなるべく避けたい…。
金太郎のおすすめは「防虫ネットでトウモロコシを隠す作戦」です!
トウモロコシの畝の四隅に支柱を立て、葉物野菜で使っているような防虫ネットでグルっと囲ってしまうイメージです。タイミングは人工授粉が終わった直後でOK!
うちでも試した結果、この対策をした以降は野鳥も獣も寄り付かなくなりました!鳥獣害に困っている方は試してみてはいかがでしょうか。
まとめ:トウモロコシ栽培で大切なこと
ここまで、トウモロコシの育て方をご紹介しました。
トウモロコシは病害虫や猛暑にも強く、家庭菜園でも育てやすい野菜
植え付けは気温が十分に高くなるゴールデンウィーク前後から
雄花が咲いたら人工授粉し、1株1果に摘果する
害虫(アワノメイガ)や鳥獣害対策は必ず行う
ひげがこげ茶色になったら収穫適期!朝一番に収穫して採れたて甘~いトウモロコシを堪能しましょう!
トウモロコシはポイントを押さえれば、家庭菜園初心者でも立派な実を収穫することができます!病害虫には強いというものの、アワノメイガと鳥獣害は必ず対策をしてください。家庭菜園でしか味わえない”採れたての甘み”を楽しんだら、毎年畑の常連になること間違いなし!
ぜひ本記事を参考にトウモロコシを育ててみましょう!