「美味タス」はサニーレタスと結球レタスの特徴を併せ持つ半結球レタス。苦味が少なく食べやすい上に家庭菜園でも育てやすく、数あるレタス品種の中でもぜひオススメしたい品種です!
本記事では、美味タスの種まきから収穫までの育て方・栽培方法について、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。

この記事は、以下のような人におすすめ!
- レタスのおすすめ品種を教えてほしい
- 家庭菜園で美味タスを育ててみたい
この記事を読んで、一緒に美味タスを育ててみましょう!
美味タスとは

| 科名 | キク科 |
| 発芽適温 | 15~20℃ |
| 生育適温 | 15~20℃ |
| 収穫までの期間 | 種まきから約2か月 |
「美味タス」は外葉はリーフレタス、内側は結球レタスらしいパリパリした食感を併せもつ半結球レタスです!苦味が少なく美味しい品種ですので、サラダはもちろんのこと炒め物など様々な料理で楽しむことができます。
家庭菜園で美味タスをオススメする理由3つ
数あるレタスの中でも「美味タス」は家庭菜園でぜひおススメしたい野菜の一つ!その理由を順番に説明していきます。
①苦味が少なく美味しい!

美味タスは苦味が少なく美味しいレタスです!
苦味が少なく爽やかな香りが感じられ、サラダなど生で食べるのがオススメ。外葉はふんわり柔らかく、内側はパリッとした異なる食感が楽しめるのも嬉しいポイント。

品種名のとおり、「美味」しいレ「タス」なんだね!
②狭いスペースでもOK!小株どりも可

美味タスは狭いスペースでも栽培することができます!
通常は株間30×30cmですが、株間15×15cmで小株どり収穫することもできます。そこまで広いスペースが確保できない家庭菜園だからこそ、狭いスペースにも対応できる品種はオススメです。
③長く収穫を楽しめる
美味タスは長く収穫を楽しむことができます!
家庭菜園で野菜を育てると、「作り過ぎて食べ切れなくなった」経験はありませんか?一度に種まきすると収穫時期も一気に来るので、家族だけでは食べきれずに困ったりしますよね…。
一方で、美味タスは小株どりも可能なため、収穫時期を前倒しして無駄なく楽しむことができますよ!
美味タスの栽培時期

【栽培期間:60~70日】
美味タスには春まきと秋まきの2つの作型があります。
春まきでは3月中旬~4月いっぱい、秋まきでは8月中旬~9月中旬で種まきします。育苗期間は1か月ほど。植え付けると、生育前半では葉を大きく成長させます。後半に入ってくると結球をはじめ(とはいっても半結球ですが)、種まきから60~70日ほどで収穫!といったイメージです。

レタスは高温でとう立ちしやすいけど、美味タスは晩抽性があるので夏場にも耐えやすい。
美味タスの栽培で準備するもの
- 美味タスの種
- ポリポット(直径9号)
- 育苗培土
- 元肥
- 堆肥 … 3ℓ/㎡
- 化成肥料 … 100g/㎡ (または有機発酵肥料 … 200g/㎡)
- かき殻石灰 … 100g/㎡
美味タスの種はどこで売ってる?
美味タスの種は皆さんの身の回りのホームセンターでは販売していないことが多いかと思いますので、ネット通販の利用がオススメ!
以下より購入いただけます!
美味タスの育て方5ステップ
美味タスの具体的な育て方は以下のとおり。順番に詳しくご紹介していきます!
①育苗(種から育てる場合)
【育苗期間:3~4週間】
美味タスを種から育てる場合の育苗方法を説明します。
少し育てる場合はポリポット、たくさん育てる場合はセルトレイを活用するのがオススメ!
- STEP①種まき


【発芽適温:15~20℃】
ポリポット(直径9cm)に育苗培土を入れ、種を3粒ずつ蒔きます。覆土をごく薄く(種が見えるか見えないか程度に)かけてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②間引き
本葉1~2枚の頃に、成長の良い株を1本残して残りを間引きます。
- STEP③育苗完了

本葉4~6枚になったら植え付け適期です。植えつけましょう!
- STEP①種まき


【発芽適温:15~20℃】
セルトレイ(128欠または200欠)に育苗培土を入れ、種を1粒ずつ蒔きます。覆土をごく薄く(種が見えるか見えないか程度に)かけてしっかり鎮圧し、水をたっぷりやります。以降、乾かさないようにしながら、発芽適温を確保します。
- STEP②育苗完了

本葉2~3枚ほどになったら植え付け適期です。植えつけましょう!
育苗については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
②土づくり

植え付けの1週間前までをメドに、元肥として以下をすき込んでおきます。
- 堆肥 3ℓ/㎡
- 化成肥料 100g/㎡(または有機発酵肥料 200g/㎡)
- かき殻石灰 100g/㎡


元肥をすき込んだら幅65cmの畝を立て、マルチを張ります。春まきでは地温を確保できる「黒マルチ」、秋まきでは地温上昇を抑えられる「白マルチ」がおすすめ!
時間があれば「太陽熱養生処理」をしておきましょう!詳しく解説している記事がありますので、参考にしてみてください。
③植え付け


【生育適温:15~20℃】
畝幅65cmの場合、美味タスの植え方は3列30cm間隔とします。植え付け穴を掘り、そこに水をたっぷりやります。水が引いたら、苗を植え付けましょう!

スペースが無い場合は、株間15cm間隔で植えると小株どりが可能!
植え付けの際、水にリキダスを入れると活着が良くなります!詳しくは以下の記事で解説しています。
④病害虫対策
害虫対策
葉を食べる系害虫:ヨトウムシ、オオタバコガ、ナモグリバエ、ナメクジなど
養分を吸う系害虫:アブラムシなど
美味タスを含むレタスには害虫が発生しやすいです。特にヨトウムシやオオタバコガが発生すると葉をバリバリ食べられるので要注意!

家庭菜園での対策としては、「防虫ネット」と「ゼンターリ」がオススメ!
防虫ネットを張ると害虫の侵入を物理的に防ぐことができます。防虫ネットの張り方は以下の記事で詳しく解説しています。

植え付け後、すぐに防虫ネットを張ってしまうのがオススメ!
ゼンターリはBT菌を有効成分として生物農薬で、ヨトウムシなどのチョウ目害虫に有効です。野菜類で登録があり、有機栽培でも使用することができますよ!
病気対策
カビ(糸状菌)の病気:すそ枯れ病、灰色かび病など
細菌(バクテリア)の病気:軟腐病など
美味タスは比較的病気に強い品種ですが、発生するときには発生します。
家庭菜園での対策としては、Zボルドーの散布がオススメ!糸状菌から細菌による病気まで幅広い病気の予防に有効で、野菜類で登録があり、有機栽培でも使用することができます。
⑤収穫!

【収穫までの日数:60~70日】
美味タスは内側の葉が軽く結球してきたら収穫適期です!半結球タイプのレタスですので、内側の葉が軽く巻いてきたら収穫し始めてOK!
美味タスには収穫方法が2つあります。
- 株ごと引き抜いて収穫
- 株を残しながら、葉を一枚ずつ摘み取って収穫
普通に株元から引き抜いて収穫しても良いですが、株を残して外側の葉から一枚ずつ収穫するのもオススメですよ!

株を残しながら、葉を一枚ずつ摘み取って収穫すると、新しい葉が出てきて繰り返し収穫することもできます。

せっかく育てたんだから、株を残してずっと収穫してやるんだ!
小株どりの場合

【収穫までの日数:約45日】
美味タスは小株どりも可能です!内側の葉が結球し始める前になりますが、サニーレタスのような感覚で楽しむことができますよ!

あえて株間を狭く植え付けて、小株どりをしながら株間を広げてあげると、残りの株を通常サイズで収穫することもできる。

早くから収穫できて通常サイズでも収穫できるなんて、一石二鳥じゃん!
まとめ:美味タスの栽培で大切なこと
ここまで、美味タスの育て方をご紹介しました。
美味タスは外葉はリーフレタス、内側は結球レタスらしいパリパリした食感を併せもつ半結球レタス
苦味が少なく美味しい上に、家庭菜園でも育てやすい品種
防虫ネットを張るなど病害虫対策は万全に
内側の葉が軽く結球してきたら通常サイズでの収穫!その手前で小株どりも可
レタスを栽培しようとすると品種が多すぎて「どれを選んで良いか分からない」とお悩みの方も多いはず。そんな時は、「美味タス」を栽培してみてください!美味タスを一度栽培すれば、その魅力に惹かれること間違いなし。
ぜひ本記事を参考に美味タスを育ててみましょう!







