イモ類タイプは種イモやツルを植え付け、地上部や根を生長させた後、「貯蔵根」と呼ばれるイモが肥大します。ここでは、このようなイモ類タイプの生育の特徴を踏まえた土づくりや施肥管理のコツをご紹介します!
イモ類タイプの生育の特徴
イモ類タイプはまず、種イモやツルを植え付けます。種イモにはタンパク質や糖、ミネラル類などが豊富に含まれており、初期はこれを栄養源にして発芽します。その後、地上部に葉茎を茂らせる一方で、「貯蔵根」も生長させます。これが後の”イモ”になるものです。
地上部がある程度大きくなると成長が徐々に鈍化し、そこで作られた炭水化物が貯蔵根へ運ばれ、イモの肥大が始まります。地上部の成長が完全に止まり黄色く枯れる頃に収穫を始めます。
このように、イモ類タイプはまず地上部や根を生長させ、それがある程度大きくなると、地下部のイモを肥大させる疑似生殖生長をします。
表皮が荒れない土づくり
イモ類は地中で育ち、センチュウをはじめ様々な病害虫の被害を受け、皮が荒れる可能性があります。そういった被害を防ぐため、有機栽培ではバチルス菌や放射菌を増殖させた堆肥で全体のバランスを整え、土壌病害虫を抑えるようにします。
さらに、可能であれば太陽熱養生処理をしておくとなお良いでしょう!
栽培初期は地上部と貯蔵根を充実させる
立派なイモになってもらうためには、その土台となる地上部の葉茎を充実させること、また、十分な数の貯蔵根を確保することが非常に重要です。元肥はC/N比が低く(チッソ分が多く)、水溶性で即効性のものを選びましょう。
イモの肥大に合わせてチッソが切れるように
地上部の葉茎の成長が鈍り、イモの肥大が始まる頃には元肥の肥効が切れるようにします。その後は、堆肥に含まれるチッソ分で地上部を維持しながら、肥大を進めてもらうイメージです。
一方で、ミネラル類は栽培後期まで肥効が続くようにします。イモは光合成産物である炭水化物そのもの。光合成に関係する苦土や鉄、マンガン、銅などは切れることがないよう、水溶性とク溶性が混ざったものを選ぶと良いでしょう。
チッソが効きすぎるとどうなるの?
イモを肥大させたい頃にチッソが効いてしまうと、地上部の葉茎の生長が止まらない「ツルぼけ」や「樹戻り」になってしまうよ。こうなるとイモの肥大が進まず、葉茎は立派なのに肝心のイモが小さいという残念な結果になるよ。
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