ピーマン/シシトウ/トウガラシの有機栽培・育て方

実もの

子供の頃は苦手だったけど、大人になるにつれて好きになっていく野菜ってありますよね?ここでは、その代表選手であろう、「ピーマン・シシトウ・トウガラシ」の有機栽培・育て方をご紹介します!

 



おすすめ品種

まずは品種選びです。ピーマンもシシトウもトウガラシの仲間です。ピーマンやシシトウなど辛みのないトウガラシの仲間を「甘トウガラシ=ピーマン」、辛味のある種類を「トウガラシ」と呼びます。

ピーマン

  • 「京みどり」(タキイ種苗)
  • 「ニューエース」(タキイ種苗)

「京みどり」は皮が薄くてやわらかく、食べやすいのが特徴です!一般的にスーパーに並んでいるピーマンは地方からの輸送に耐えるべく、皮が厚くて硬くなるよう品種改良されています。家庭菜園ではもちろん、輸送や保存性などは気にしなくて良いので、このような品種を選びたいですね。

「ニューエース」は肉厚で大きく、ボリューム感があるのが特徴です!肉詰めなんかに最適ですね。昔ながらの大きなピーマンが良かったら、この品種が良いでしょう。

シシトウ

「翠臣」(サカタのタネ)

「翠臣」は生育が旺盛で、家庭菜園でも作りやすい品種です。生育が進むにつれて、枝が分岐してどんどん収量が上がっていきますよ!

甘トウガラシ(辛くない)

  • 「万願寺トウガラシ」
  • 「甘とう美人」(タキイ種苗)

「万願寺トウガラシ」は京都の万願寺周辺で栽培されている地方品種です。種が少なくて肉厚で美味しく、焼き物、炒め物、天ぷらなどにおすすめですよ!

「甘とう美人」(タキイ種苗)は肉質が柔らかくて、食味と風味に優れた品種です!「万願寺トウガラシ」より実は一回り大きく、食べ応えがあります。草勢が強く多収で、家庭菜園でも育てやすいですよ。

トウガラシ(辛い)

「鷹の爪」

日本のトウガラシと言えば、「鷹の爪」でしょう!鷹の爪を連想させる、尖った実が特徴です。

 



栽培のポイント

ピーマン/シシトウ/トウガラシは「実ものタイプ」の野菜に分類されます。以下で詳しく説明しているので、まずはこちらをご覧ください!

実ものタイプの有機栽培・育て方のコツ
実ものタイプは「栄養成長と生殖成長が並行」「栽培期間が長い」が特徴です。これらを踏まえた土づくりや施肥管理を押さえておきましょう!実ものタイプの特徴栄養成長と生殖成長が並行生育初期は一般的な野菜と同様に、栄養成長でRead more...

その上で、実ものタイプの中でも特に”ピーマン/シシトウ/トウガラシ”栽培でのポイントを以下のとおり補足します。

追肥で山型の樹形を維持

ピーマン/シシトウ/トウガラシはチッソの要求量が多いです。

チッソ量が適正であれば、樹形は山型となり、その山の輪郭に沿って花が咲きます。ですが、チッソが不足するとこれが水平となり、そのままにすると収穫が収量してしまいます。

樹勢を日頃から観察しながら、収穫が始まったら2週間ごとを目安にチッソの追肥をしましょう!

苦土とカリの追肥も十分に

ピーマン/シシトウ/トウガラシの果実は緑が濃いです。この緑はもちろん葉緑素ですので、その中核物質である苦土を意識します。

また、カリは細胞分裂や肥大を促進し、果実を伸ばす性質を持っています。スッと伸びの良い実になってもらうために、こちらへの意識も必要です。

よって、ミネラル類の中でも苦土とカリの追肥は、上限値の20~30%増しを目安として、十分にするようにしましょう!

 



土づくり

植え付けの2週間ほど前から土づくりをしましょう。

畝幅は65cmとし、以下の肥料を鋤きこんでおきます。その畝に、幅95cmの黒マルチを張ります。

  • 堆肥2kg/㎡(C/N比が高いもの)
  • 卵殻200g/㎡
  • 有機発酵肥料250g/㎡
  • ミネラル類70g/㎡

ピーマン/シシトウ/トウガラシは栽培期間が非常に長いです。その間に水分や養分をしっかりと蓄えておけるような土づくりが必要です。そのためには、C/N比の高い堆肥を施用して、可能であれば予め太陽熱養生処理を行っておくといいでしょう。

植え付け

ゴールデンウイークがやってくる頃に、いよいよ植え付けです!

苗を用意したら、45cm間隔に1列で植えていきます。この時、植え付けるために掘った穴に、一度水をたっぷりとあげましょう。水が引いたら、苗を植えて株元を軽く押さえてあげます。

植えたばかりの苗はまだ赤ん坊です。雨風に弱く、ちょっとしたことで折れてしまう可能性があります。苗から10cmほど横に支柱を立てて、誘引することで苗をしっかりと支えてあげましょう。この時、「茎に優しく、支柱に厳しく」が鉄則ですよ!

3本仕立て・水平ネット栽培

ピーマン/シシトウは、主枝と1番花より下2つのわき芽を残してそれ以外を取り除く、3本仕立てにします。その後、地面と水平にした上で、生長点付近にちょうどネットが来るように張ります。こうすることで、実がついて枝が下に倒れた時や雨風の被害にあった時も、このネットが受け止めてくれるんです!

ネットは成長段階に合わせて複数段を張ると良いです。

※トウガラシは3本仕立てにしません。

1番果とり

一番果(最初につく実)が成りました!もう少し大きく成長させてから収穫したいところですが、そうはいきませんよ!心を鬼にして、小さいうちに取ってしまいましょう。

まだ栽培初期で株は小さいです。今後、たくさんの実をつけてもらうべく、まずは”木づくり”に注力してもらいます。

 



収穫!

6月中旬ごろより、いよいよ収穫です!収穫したてをかじってみると、爽やかな香りとそのみずみずしさがたまりません!是非、家庭菜園でオススメしたい野菜の一つです。

追肥

初収穫を終えてから、2~3週間おきに追肥を始めます。

「栽培のポイント」でも触れたとおり、日ごろから樹形をよく観察しましょう!常に山型になるように意識し、水平になってきたらチッソを多めに追肥してあげます。また、微量要素の不足にも注意しましょう。特に、苦土とカリです。

以下の追肥を基本としつつ、上記の点をよく観察して必要に応じて加減しましょう!

  • 有機発酵肥料50g/㎡
  • ミネラル類20g/㎡

 



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