タマネギ(玉葱)の有機栽培・育て方

根もの

常備野菜として欠かせない”タマネギ”。カレーや肉じゃが等の煮物にはもちろん、炒め物やサラダにしても良いですよね!初夏に出回る新タマネギはサッと炒めてもよし、サラダにしてもよしで、「もうすぐ梅雨か~」と季節の移ろいも感じさせてくれます。

タマネギは栽培期間は半年以上と長いですが、病害虫が少なく、有機・無農薬栽培でも育てやすい野菜の一つです。そんなタマネギの育て方をご紹介します!

おすすめ品種

タマネギは早生~晩生やサイズ、色などによって品種がたくさん分かれていて、選ぶのがなかなか難しいですよね…。そんな時、金太郎は”食味の良さ”を最優先して選びます。輸送のことや製品率を気にしなくていいなら、味にこだわりましょうよ!

ということで、金太郎がおすすめする品種は、松島交配の「ラッキー」です!

  • 株式会社渡辺採種場が育成(松島交配)し、1972年に発表した品種
  • 肉質はやわらかく甘みがあり、辛味が少なく、生食・煮食に相性抜群
  • 晩生の品種で一球350gほどの甲高黄大球で極めて多収

ラッキーは近所のホームセンター等ではあまり見かけず、メジャーな品種ではありませんが、約50年近く前に発表された品種です。

現在の主流品種には無い良さがあるからこそ、今日まで残り続けているのだろうと想像します。そんなラッキーの栽培のポイントを掴んでおきましょう。

栽培のポイント

  • 春先の肥効を高めて一気に出葉スピードを速める
  • 水溶性ミネラル資材と鉄資材を上手に効かせる

春先の肥効を高めて一気に出葉スピードを速める

タマネギは、葉の一枚一枚が可食部の鱗片につながっています。ですので、春先に葉の枚数をいかに多く確保するかが、大きくて実の詰まったタマネギを収穫するポイントになります。

タイミングも重要です。冬前に葉を充実させてしまうと寒さで枯れてしまうので、春先の成長が始まるタイミングでチッソを効かせ、球の肥大期にはその肥効が切れるくらいがちょうどいいです。こうすることで、春先は出葉スピードを速めて葉の枚数を確保した上で、5~6月には葉の成長が緩やかになり、球の肥大を進めることができます。

水溶性ミネラル資材と鉄資材を上手に効かせる

苦土と石灰、鉄をきっちり効かせましょう。

石灰はタマネギの表皮を強くし、病害虫に対する抵抗力をつけてくれます。また、タマネギの根は浅く弱いので、石灰を効かせてしっかりした根を伸ばすしてもらうようにします。

また、苦土の不足は葉の枯れあがりを招きます。特に、タマネギは葉と鱗片がつながっていますので、その枯れあがりは品質や収量に直結します。初期から吸収されるよう、全体の7割程度を水溶性の苦土にするよう設計すると良いでしょう。

鉄は呼吸に関係するミネラルです。養分吸収は呼吸で生じたエネルギーによって行われますが、鉄が不足すると、球の内側の根が呼吸できなくなり、やがて消えてしまします。その後、チッソが主に吸収され、このチッソが鱗片の中で遊離チッソとなって、腐りの原因となってしまいます。鉄もしっかり施肥しておきましょう!

苗づくり

タマネギは苗を育てて、ある程度の大きさに成長したら畑に植え替えます。10~11月にホームセンターで苗が出回りますのでそれを購入しても良いですし、余裕がある人は種から育てるのが良いでしょう。

種から栽培する場合は、9月下旬から始めます。200欠のトレーを用意し、種まき用土を入れたら1欠につき1粒ずつ種を蒔きます。1粒ずつにすることで、植え替えの時に土ごとそのまま植えることが可能です。

種まきから3週間たった様子がこちらです。発芽が揃い、葉もスッと上に伸びてくれました。この時期は残暑で土が乾きやすいので、朝夕は欠かさずたっぷり水をあげましょう。

苗の根元が鉛筆程度の太さになったら、苗づくりは完了です。畑に植え替えましょう!

土づくり

苗づくりと並行して土づくりをしておきましょう。

畝幅は65cmで、以下の肥料を鋤きこんでおきます。

  • 堆肥2kg/㎡
  • 卵殻200g/㎡
  • 有機発酵肥料200g/㎡
  • 魚粉100g/㎡
  • ミネラル類80g/㎡

植え付け

前述のとおり、苗が鉛筆程度の太さになったら畑に植え付けましょう!時期としては、10月下旬から11月上旬が適期です。

まず、あらかじめ土づくりをしておいた畝に、幅95cmで5列穴の95155黒マルチを張ります。

マルチを張ったら、1穴につき1本ずつ苗を植え付けていきます。指で軽く穴を開けて、そこにスポット入れていくと良いですよ!

植え付ける時の注意点としては、生長点を地表に出すことです。しっかり植えようと、深くまで埋め込んでしまいがちですが、新しい葉が出なくなってしまいます。気持ち浅めに植えるのがコツです。

やっと植え付けが終わりました(歓喜)!めちゃめちゃ腰に来ます。翌日は筋肉痛を覚悟しましょう笑。

これで、秋の作業は一通り終了です。冬の間は霜で根っこごと浮いて枯れてしまうことだけには注意しながら、暖かく見守っていきましょう。

成長過程・追肥

3月下旬の様子(植え付けから5か月後)

冬の間は成長が止まっていますが、3月に入って気温が徐々に上がってくるとグングンと成長してきます!このタイミングで以下の追肥をしておきましょう!

卵殻も入れることで表皮を強くし、病害虫に対する抵抗力をつけます。また、タマネギの根は浅く、強くありません。石灰を効かせてしっかりした根にします。

  • 有機発酵肥料60g/㎡
  • ミネラル類60g/㎡
  • 卵殻40g/㎡

5月下旬の様子(植え付けから7か月後)

この2か月で葉がグングンと成長してわっさわっさです!(笑)

この葉一枚一枚が可食部である鱗片につながっているのです。根元もしっかり膨らんできました。あとは可食部が肥大するのを見守るのみです!

収穫!

6月中旬、いよいよ収穫です!地上部の葉が倒れたら収穫適期のサインです。

タマネギは長期保存可能な野菜です。出来れば晴れの日の午前中に引き抜き、写真のようにそのままマルチの上に置き乾燥させましょう。夕方になったら直射日光の当たらない風通しの良い場所に移動させます。葉付のまま、数株ずつにまとめて吊るしておくと長期保存できますよ!

うまく長期保存をして、長~く美味しいタマネギを楽しみましょう!

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