農薬を使う際に欠かせない”展着剤”。いざ選ぼうとすると「どの展着剤を選べば良いか分からない」「展着剤の使い方が分からない」なんてお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこでオススメしたいのが「フーモン」!これ1本で展着剤だけでなく、殺虫・殺ダニ・殺菌の4役をこなしてくれるんです!
そこで本記事では、フーモンの効果や使い方、注意点などについて、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。
フーモンとは

フーモンは”展着剤+気門封鎖剤”の両方を兼ね備えたユニークな農薬です!
有効成分は食品添加物にも使われるポリグリセリン脂肪酸エステルで、展着剤だけでなく、殺虫・殺ダニ剤、殺菌剤(うどんこ病のみ)の性質も併せ持つ多機能農薬なんです。
くま吉いっぱい機能があるんだな!具体的にはどんな効果があるの?



フーモンが持つ効果をそれぞれ紹介していくよ!
展着剤だけではない!フーモンが兼ね備える3つの効果
フーモンは次の効果を併せ持っています。順番に詳しく説明していきます!
①薬液をベタっと付ける”展着剤”としての効果


植物や害虫の表面は水をはじきやすく、そのまま薬液をかけてもなかなか付きにくいです。これではせっかく殺虫剤や殺菌剤をかけても効果が期待できません…。
そこで使われるのが”展着剤”で、主成分である「界面活性剤」が薬液の表面張力を下げて濡れやすく・広がりやすくしてくれます。
フーモンにはこのような”展着剤”としての効果があるので、一緒に混ぜる殺虫剤・殺菌剤の効果を十分に発揮させてくれます!



展着剤は、殺虫剤や殺菌剤などの農薬を葉っぱや虫の体にしっかり付けやすくするための補助剤
②小さくて厄介な害虫を退治する”殺虫・殺ダニ剤”としての効果
フーモンは気門封鎖剤の一つでもあり、害虫の「気門」(空気の出入り口)を薬剤の膜でふさぐことで、物理的に呼吸を止めて窒息させることができます!
この気門封鎖剤としての働きで、以下の害虫を退治することができます!
アブラムシ類、ハダニ類、コナジラミ類
このように、フーモンは家庭菜園でも非常に悩ましい養分を吸う系の小さい害虫、ダニ類をまとめて退治することもできます!



化学農薬と異なり、ドロッとしたノリのような液体で害虫の気門を物理的に防ぐ仕組み。人や環境への影響が比較的少ないとされている。
③うどんこ病を防ぐ”殺菌剤”としての効果
フーモンには、殺菌剤としてうどんこ病を防ぐ効果もあります!フーモン特有の「ドロっと」した成分で葉をまるっとコーティングしてしまい、うどんこ病菌が葉に付着するのを防いでくれます。



このように、フーモン1本で展着・殺虫・殺ダニ・殺菌(うどんこ病のみ)の4役をこなしてくれるよ!



もういっぱい機能があって覚えられないナ…
家庭菜園の展着剤にフーモンを使うメリット3つ
フーモンは家庭菜園の農薬散布でおすすめできる展着剤です。その理由を順番に説明してきます!
①家庭菜園で栽培する野菜全般に使用できる
一般的な化学農薬を使う際に悩まされるのが、適用作物のチェック。うちの家庭菜園で栽培している野菜が登録されている農薬はどれなのか、と一つ一つ確認するのは大変なんですよね…。
日本化薬株式会社HPより引用フーモンの適用表
一方で、フーモンは家庭菜園で栽培する野菜全般に使用することができます!いちいち適用作物を確認するストレスから解放されます。多品目を少量ずつ栽培したい家庭菜園だからこそ、汎用性の高いフーモンがオススメです!



農薬登録上、野菜類とは別で穀類のトウモロコシや果樹類でも使える!
②余計な農薬を増やさない
通常、アブラムシ類やコナジラミ類で1本、ハダニ類で1本と殺虫剤・殺ダニ剤を用意するとともに別途、展着剤も用意しなければなりません。家庭菜園では大量に散布する訳でもないので、揃えたところで使い切れずに余らせてしまいがちです…。
一方で、フーモンなら展着剤+殺虫・殺ダニ剤+殺菌剤の役割を1本で対応してくれます。また、①のとおり家庭菜園で栽培する野菜全般に使用できますので、余計な農薬を何本も揃える必要が無くなります!
③収穫前日まで何回でも使ってOK!
一般的な化学農薬を使う上で、これまた悩まされるのが使用時期や使用回数の遵守。農薬は適用表どおりに使用しなければなりませんので、面倒であってもこれらは必ず守らなければなりません。
そうは言っても、家庭菜園を楽しむ方にとって農薬ごとに定められた適用表を正しく理解して、一つ一つの野菜に使用していくのはかなりハードルが高いですよね…。
日本化薬株式会社HPより引用フーモンの適用表
ここでも最強なのが、フーモン!使用時期は収穫前日まで、使用回数の制限もありませんので、いつでも何回でも散布できます!



めちゃくちゃ使いやすい!
フーモン散布に必要なもの
- フーモン
- 殺虫剤や殺菌剤
- 噴霧器(少量の場合はスプレーボトルでもOK)
- スポイト
- はかり
- 計量カップ(多めに作る場合)
フーモンはどこで売ってる?
フーモンは皆さんの身の回りのホームセンター等では取り扱っていないことが多いので、ネット通販の利用がオススメ!
以下より購入いただけます。
フーモンの使い方・混用方法5ステップ(家庭菜園向け)
フーモンの使い方・混用方法は以下のとおり。順番に紹介していきます!
①水を用意する


【用意する水の量の目安:150~500ml/㎡】
フーモンを希釈する水を用意します。野菜に使う場合、1㎡あたり150~500mlを目安に用意すればOKです。
散布液を多めに作る場合(例えば3リットル以上など)は計量カップを使うと良いですよ!先に計量カップ内の少量の水で希釈して、最後に残りの水を加えると扱いやすいです。
②フーモンを入れる




【希釈倍率:1000倍】
①で用意した水にフーモンを入れます。フーモンの希釈倍率は1000倍ですので、水1Lに対して1mlをスポイトなどで測り、よく混ぜましょう。



入れる順番は「展着剤(テ)」→「乳剤(ニ)」→「水和剤・水溶剤(ス)」の順で「テニス」と言われている。
③殺虫剤や殺菌剤を入れる




次に殺虫剤や殺菌剤を②に入れ、良く混ぜます。希釈倍率はそれぞれの農薬の適用表をご確認ください。
殺虫剤ならゼンターリがおすすめ!フーモンでは退治できないイモムシたち(ヨトウムシやコナガなどのチョウ目害虫)を退治できます。以下の記事で詳しく解説しています。
殺菌剤ならZボルドーがおすすめ!フーモンではうどんこ病しか予防できませんが、それ以外のカビ(糸状菌)や細菌(バクテリア)による病気も幅広く防ぐことができます。以下の記事で詳しく解説しています。



フーモンは単体で使ってもいいの?



単体でもOK!フーモン1本だけでも殺虫・殺ダニ、殺菌剤(うどんこ病のみ)として使えるよ
④噴霧器に流し込む


③の散布液を噴霧器に流し込みます。計量カップなど少量の水で希釈した場合は、残りの水も追加してよく混ぜます。
⑤散布!




防除したい野菜に散布しましょう!散布の際は、葉の裏側にもしっかりかけるようにしてください。害虫は葉の裏面にいることが多いので、表面だけでなく裏側にもムラなくかけます。



作った散布液はそのまま置いておくと効果が低下したり薬害が生じる恐れがあるので、その日のうちに使い切ってね
フーモン使用時の注意点2つ
ここまで、フーモンの使い方などを解説してきましたが、使用する上で知っておきたい注意点が2点あります。
①害虫に直接かからないと効果なし
開発元である日本化薬株式会社は、使用上の注意事項として以下を呼びかけています。
本剤薬液が害虫にむらなくかかるよう葉の表裏にていねいに散布すること。散布液が直接害虫にかからないと効果が期待できない場合がある。
日本化薬株式会社HPより引用
フーモンは、有効成分が害虫の体表をすばやく覆い、気門(空気を出し入れする穴)をふさぐことで窒息死させる「気門封鎖剤」というタイプの農薬です。裏を返せば、フーモンは害虫に直接かからないと退治できません。
フーモンを散布する際は、薬液が害虫にしっかり付着するよう、葉の裏面にもたっぷりかかるようにしましょう!



連中は葉の裏側にも多いゾ…
②卵には効きにくい
開発元である日本化薬株式会社は、使用上の注意事項として以下を呼びかけています。
本剤は残効が短く、害虫の卵に対して効果が劣るため、害虫の増殖期やほ場外からの飛び込み盛期には、5〜7日間隔の連続散布で使用するか、他剤とのローテーション散布で使用すること。
日本化薬株式会社HPより引用
害虫がまだ卵の段階でフーモンを散布しても、もちろん気門は封鎖できません。こればかりはどうしようもなく、散布のサイクルを短くするしかありません。
基本的には混用する殺虫剤・殺菌剤のサイクルで良いですが、気温が上がり害虫が増えてくる時期になったら間隔を短くする(例:2週間→1週間)のが望ましいです。
まとめ
ここまで、フーモンの効果や使い方、注意点などについてご紹介しました。
- フーモンは展着剤だけでなく、殺虫・殺ダニ・殺菌(うどんこ病のみ)の4役を1本でこなす多機能資材
- 野菜全般に使用できて汎用性が高く、収穫前日まで何回でも使ってOK!余計な農薬を増やさずに済み、家庭菜園でもオススメ!
- 希釈倍率は1000倍。葉の裏面にもしっかり散布する
気門封鎖という物理的な作用で害虫を退治しつつ、葉をコーティングすることで展着剤の役割も果たしつつ、うどんこ病の広がりも抑えられるので、「なるべく薬の種類を増やしたくない」「でも、野菜はしっかり守りたい」という家庭菜園にとっても心強い味方になってくれます!
家庭菜園の幅広い野菜に使え、収穫前日まで何回も使える扱いやすい農薬なので、家庭菜園の定番アイテムとして1本持っておく価値は十分にあるはずです。
ぜひフーモンを使って、病害虫から野菜を守りましょう!


