ダイコンやニンジン、ほうれん草などの直まき野菜が無事に発芽して安心したのもつかの間、「いつの間にか害虫に食べられていた」「防虫ネットをかけたのに食べられていた」なんて経験をしたことはありませんか?このような直まき野菜の害虫対策は本当に悩ましいですよね…。
そこでオススメしたいのが「アルバリン粒剤」!種まき前に土に混ぜておくだけで、発芽直後の小さい芽の段階からしっかり害虫を防いでくれる心強いパートナーです!
本記事では、アルバリン粒剤が直まき野菜の害虫対策としておすすめな理由や効果、使い方などについて、家庭菜園向けに分かりやすく解説します。

この記事は、以下のような人におすすめ!
- 直まき野菜の害虫対策に困っている
- 直まき野菜にオススメな農薬を教えてほしい
- アルバリン粒剤の効果・使い方を知りたい
アルバリン粒剤とは


アルバリン粒剤は、種まき前の土や苗の植穴・株元に撒いておくと、野菜が有効成分を吸い上げ害虫からの被害を内側から防ぐことができるタイプの殺虫剤です。
以下はアルバリン粒剤で退治できる害虫の一覧です。
| 養分を吸う系害虫 | アブラムシ類、アザミウマ類、コナジラミ類 |
| 葉を食べる系害虫 | コナガ、アオムシ、ハイマダラノメイガ(シンクイムシ)、 キスジノミハムシ、ハモグリバエ類、 |
アルバリン粒剤はアブラムシやアザミウマなどの養分を吸う系の害虫や、コナガやアオムシなどの葉を食べる系の害虫に効果があります!
根から吸収されて全体に広がる浸透移行性なので、葉の裏などに隠れた害虫にも効きやすいですよ!

どんな野菜に使えるの?

家庭菜園で栽培するであろう幅広い野菜に使える。中でも、畑に直接種をまく”直まき野菜”の害虫対策におすすめ!その理由を次で紹介するよ!
直まき野菜の害虫対策にアルバリン粒剤がおすすめな理由3つ
殺虫剤は世の中に様々ありますが、直まき野菜の害虫対策にはアルバリン粒剤がおすすめ!その理由を順番にご紹介していきます。
①”直まき野菜”の発芽直後~生育初期を害虫から守れる

アルバリン粒剤は”直まき野菜”の発芽直後~生育初期を害虫から守ることができます!
家庭菜園をしていると悩まされるのが、種を畑に直接まく”直まき野菜”の害虫対策。苗を植え付けるタイプの野菜は植え付け後に殺虫剤を散布すれば良いですが、直まき野菜はそうはいきません。「発芽して本葉が出てきたら殺虫剤を散布しよう」などと思っていると、その間に害虫にヤラれていたりするんですよね…。

うちは直まき直後に防虫ネットをかけたんだけど、なぜか害虫に食べられていたりしたよ…。
そこでアルバリン粒剤!アルバリン粒剤は直まき野菜の種を蒔く前の畝に、粒剤をパラパラと散布し土に混ぜ込んでおくことができます。このことによって、発芽したばかりの直まき野菜たちは根を伸ばすと同時に薬剤を吸収でき、発芽直後から害虫の被害を防ぐことができるのです!
このように、アルバリン粒剤は直まき野菜の一番の弱点である発芽直後~生育初期を害虫から守ってくれます!
②幅広い”直まき野菜”に使用可能

アルバリン粒剤が”直まき野菜”の種まき時に使えることは分かった!だけど、同じような農薬はあるんじゃないの?

あるけど、アルバリン粒剤が一番汎用性が高いんだ。この表を見てごらん!
| 葉もの野菜 | キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、 非結球アブラナ科葉菜類(小松菜、水菜、ケール、ルッコラ、なばな類、からし菜、カーボロネロ、オータムポエム、パクチョイなど)、 レタス、非結球レタス(リーフレタス、ロメインレタス、サンチュなど)、 チンゲンサイ、ホウレンソウ、シュンギクなど |
| 実もの野菜 | キュウリ、ゴーヤー、メロン、スイカ、カボチャ、ズッキーニ、 ナス、トマト、ミニトマト、ピーマン、トウガラシ類、 さやえんどう(きぬさやえんどう、スナップエンドウ)、 実えんどう(グリンピースなど)、さやいんげん(モロッコインゲンなど)、エダマメなど |
| 根もの野菜 | ダイコン、カブ、ネギ、ニンジンなど |
こちらはアルバリン粒剤が使える主な野菜の一覧で、このうち太字は直まき野菜(直まきすることが多い野菜)を表しています。家庭菜園で栽培する主な直まき野菜は一通りカバーできていることが分かるかと思います。

アルバリン粒剤が使えない直まき野菜は、ゴボウくらい。

んで、アルバリン粒剤と似たような別の農薬は、どんな直まき野菜に使えないの?
| アルバリン粒剤 | ゴボウ |
| アクタラ粒剤 | 非結球アブラナ科葉菜類(小松菜、のざわな以外)、エダマメ、ごぼうなど |
| オルトラン粒剤 | 非結球アブラナ科葉菜類(小松菜、なばな類以外)、 ホウレンソウ、シュンギク、ダイコン、カブ、ネギ、ニンジン |
| スタークル粒剤 | ゴボウ |
| ダントツ粒剤 | 非結球アブラナ科葉菜類(小松菜、水菜以外)、ニンジン、ごぼうなど |
| モスピラン粒剤 | ホウレンソウ、シュンギク、カブ、ニンジン、ごぼうなど |
こちらの表は、アルバリン粒剤と似たような農薬ごとに、主な使えない直まき野菜をまとめた表です(種まき時)。
このように、アルバリン粒剤は使えない直まき野菜が少なく、家庭菜園で栽培するであろう幅広い直まき野菜に使用することができます!
スタークル粒剤も同じくらいの汎用性の高さはあるんですが、ホームセンターやネット通販ではあまり販売されていないんですよね…。入手のしやすさも含めて、アルバリン粒剤をおすすめしております。

ゴボウはそんなに栽培しないし、アルバリン粒剤さえあれば良さそうだね!
③面倒な希釈は不要!粒剤を撒くだけで簡単に散布できる

アルバリン粒剤は散布作業が簡単です!
農薬と言えば、水で希釈して噴霧器に入れて散布して…などとちょっと面倒ですよね…。一方で、アルバリン粒剤は粒剤タイプのため、散布液を作る必要はありません!そのままパラパラと撒けばいいだけなので、家庭菜園でも非常に扱いやすい農薬ですよ!
アルバリン粒剤の散布に必要なもの
- アルバリン粒剤
- はかり
- レーキなど(粒剤と土を混ぜ合わせられるもの)
アルバリン粒剤はどこで売ってる?
アルバリン粒剤は皆さんの身の回りのホームセンターやネット通販で販売されています。
ネット通販の場合は、以下より購入いただけます!
アルバリン粒剤の使い方3ステップ
アルバリン粒剤を直まき野菜の種まき時に使う場合、使用方法は基本的に「播溝土壌混和」となります。

播溝土壌混和って何?

播溝土壌混和は、種の蒔き溝に予め粒剤を散布して土と良く混ぜ合わせておく方法のこと。そのあと、直まき野菜の種を蒔く。
直まき野菜に対するアルバリン粒剤の具体的な使い方は以下のとおり。順番に写真付きで紹介していきます!
①畝を立てる

いつもどおりに畝を立てます。元肥もすき込んでしまって構いません。

マルチを張る場合は、まだ張らないでおく。
②アルバリン粒剤を撒く


【散布量の目安:6~12g/㎡】
①の畝にアルバリン粒剤を撒きます。規定量をはかりで計測し、畝にパラパラと均等に散布してください。
なお、撒く量は直まき野菜の種類によって異なります。詳しくはこちらをご確認ください。
③粒剤と土を混ぜ合わせる


レーキなどを使って粒剤と土を混ぜ合わせます。以降はいつもどおり直まき野菜の種を蒔いてください!

マルチを張る場合は、ここで張る。
アルバリン粒剤使用時に知っておきたい注意点2つ
ここまで、アルバリン粒剤の使い方などを解説してきましたが、使用する上で知っておきたい注意点が2点あります。
①防除効果は2~4週間程度
アルバリン粒剤の残効性は2~4週間程度とされています。発芽直後~生育初期までは良いですが、それ以降は薬剤の効果が切れてしまします。
生育期にも使用できる野菜には複数回散布しても良いですが、アルバリン粒剤には野菜ごとに使用時期や使用回数が定められているので、家庭菜園ではハードルが高いかもしれません…。
金太郎がオススメする直まき野菜への害虫対策は、種まき時にアルバリン粒剤を一発だけ、2~4週間経ち効果が切れたら「ゼンターリ+フーモン」を使っていく方法です!ゼンターリとフーモンはいずれも使用回数の制限は無く、使用時期は「収穫前日まで」と家庭菜園でも非常に扱いやすいですよ!詳しくは以下の記事で解説しています。
②間引きした野菜は食べない
販売元であるアグロカネショウ株式会社は、効果・薬害等の注意として以下を呼びかけています。
つまみ菜・間引き菜には使用しない。
アグロカネショウ株式会社HPより引用
つまみ菜や間引き菜は通常よりかなり早い時期に収穫するものであるため、粒剤の有効成分が高い濃度で残留している可能性があります。それに対する安全性が評価・確認されていないため、間引きしても食べないようにしましょう!

そもそも間引きが面倒なので、うちのブログではなるべく間引きせずに済む栽培方法を紹介しているよ!
まとめ
ここまで、アルバリン粒剤の効果や使い方、注意点などについてご紹介しました。
アルバリン粒剤は有効成分を根から吸収してもらい、害虫からの被害を内側から防ぐタイプの浸透移行型の殺虫剤
アブラムシやアザミウマなどの養分を吸う系の害虫や、コナガやアオムシなどの葉を食べる系の害虫に効果あり
特に”直まき野菜”の発芽直後~生育初期の害虫対策にオススメ!
使い方はシンプル!種を蒔く前に粒剤を散布し、土に混ぜ合わせるだけ
アルバリン粒剤は、直まき野菜の「発芽直後の小さな芽」を守ってくれる、家庭菜園でも扱いやすい殺虫剤です。種まきのタイミングでまき溝に土とよく混ぜておくだけで、アブラムシやキスジノミハムシ、コナガなどの被害を減らし、安定して発芽・生育させやすくなります。
アルバリン粒剤の力をうまく頼ることで、「せっかくまいた直まき野菜が虫にやられてしまう」失敗を減らし、家庭菜園をもっと気楽に楽しめるようになります!
ぜひアルバリン粒剤を使って、直まき野菜の発芽直後〜生育初期を害虫から守りましょう!


