家庭菜園で苗を育てていると、苗がヒョロヒョロと徒長してしまうことが多々ありますよね…。「徒長の原因や対策は?」「徒長したらどうすれば良いの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、「徒長」の原因や対策方法について、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。

この記事は、以下のような人におすすめ!
- 徒長の原因や対策方法を知りたい
- 徒長した苗の復活方法を知りたい
この記事を読んで、一緒に徒長しない苗づくり・育苗をしていきましょう!
徒長とは

徒長とは、野菜の節間が必要以上に間延びしてヒョロヒョロとした状態のことです。家庭菜園をしていると、育苗の際やプランターを日陰に置いていたときによく見かけるかと思います。

要は”もやし”みたいな状態のことだね!
徒長したらどうなる?デメリット3つ
苗が徒長してしまうと良いことはありません。徒長によるデメリットは以下のとおりです。
①苗が折れやすくなる

苗が徒長してしまうと、茎や葉が折れやすくなります。
見た目のとおり、茎が非常に細く弱いため、苗を植え替えしたり定植する際にポキッと折れやすいです。また、ちょっとした風や雨にも耐えられずに折れてしまうこともあります。
②生育が悪くなる

徒長した苗は、その後の生育も良くありません。
地上部ばかり伸びて、根の張りが悪くなります。すると、定植しても活着(根づき)が悪いですし、根が小さいために養水分の吸収も追いつかず、生育が止まることもあります。
③病害虫が発生しやすくなる

徒長した苗は、病害虫が発生しやすいです。
徒長すると一つ一つの細胞が以上に長く伸びるとともに、それを支える細胞壁は薄いため、病気や害虫の被害を受けやすくなってしまいます。

全体的にすき間が多く、隙だらけといった感じ
苗が徒長する原因3つ
そもそも、徒長してしまう原因は何なのでしょうか?順番に詳しくご紹介していきます。
①日照不足

日照が不足すると苗は徒長します。
発芽すると、植物は光合成を始めます。光合成には「光」が必要不可欠ですので、不足すると光を求めてどんどん茎を伸ばしてしまいます。

間引きしなくても徒長するの?

種を蒔きすぎたり、適切なタイミングで間引きをしなかった場合も、1株当たりの日照が不足して徒長しやすい。
②温度が高すぎる

温度が高すぎても苗は徒長します。
例えばトマトの発芽適温は25~30℃であるのに対し、生育適温は15~25℃と低いです。ですがこれを忘れて発芽後も25~30℃で管理し続けると、トマトにとっては温度が高すぎることとなり、急激に成長してしまい徒長しやすくなります。
③水や肥料の与えすぎ

水や肥料の与え過ぎでも徒長しやすくなります。
水やチッソ肥料が多すぎると、苗がそれらを必要以上に吸収してしまい、過剰に伸びてしまいます。

何事も”適度”が大事!
家庭菜園でも出来る!徒長を防ぐ対策方法5つ
では、徒長を防ぐにはどんな対策をすれば良いのでしょうか?順番に説明していきます。
①直射日光をたっぷり浴びせる
発芽が始まったら、すぐに直射日光をたっぷり浴びせてください!
発芽自体には光は必要ないですが、発芽するとすぐに光が必要になります。発芽し始めたら、すぐに日当たりの良い場所へ移動させてください。

乾燥させないために新聞紙や寒冷紗をかけていた場合は、種が発芽する直前に外してね!
②成長段階に応じて間引きする

種まき後は適切なタイミングで間引きしましょう!
間引きせずに株が混み合った状態でも、光が届きにくくなり徒長する原因となります。適切なタイミングで間引きをして、一株当たりの株間を十分に確保してあげましょう。
間引きのタイミングも含め、育苗のコツは以下の記事で解説しています。
③生育適温に近づける
発芽後は出来るだけ生育適温に近づけてあげることも重要です!
以下の表は、主な果菜類の発芽適温と生育適温の一覧です。
https://www.takii.co.jp/tsk/y_garden/autumnsummer/point01/index.html
このように、一般的に野菜は生育適温より発芽適温の方が高いです。
例えば、トマトの場合は25~30℃で発芽させた後は、15~25℃に下げて温度管理をしてあげると生育適温となり、徒長しにくくなります。
このような発芽適温と生育適温の違いを知り、生育ステージにあわせて温度管理をしてあげましょう!
④水や肥料は控えめに
水や肥料はやや少な目くらいがちょうど良いです!
やや乾燥気味で管理するのが水やりのコツです。朝にたっぷりと水やりして夕方ごろに土の表面が少し乾き気味になるくらいが理想ですよ!
肥料もついつい多く与えてしまいがちですが、むしろ少な目くらいの方が生育が締まり、健康に成長してくれます。

少な目だと野菜がちゃんと育ってくれるか心配なんだよな…

案外、野菜たちは自分の力で育ってくれる。普段はちょっと遠めから見守って、いざという時にすぐに助けに入るイメージでOK!
⑤覆土にイネニカを使う


覆土に「イネニカ」を使うと徒長しにくくなります。
イネニカの主成分であるケイ酸カルシウムは、野菜の葉や茎を丈夫にしてくれます。種まきで覆土代わりに使うと、頑丈な苗になりますよ!
イネニカについては以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
それでも徒長したら?徒長苗を復活させる3ステップ
それでも徒長してしまったらどうすれば良いのでしょうか?
ここでは徒長した苗を復活させる方法をご紹介します!
①一回り大きい育苗容器を準備する

まず、徒長した苗の育苗容器より一回り大きいものに育苗培土を入れてください。なお、育苗容器を選ぶ際は以下を目安にしてみてください。
- セルトレイで育苗していた場合 → 直径9cmのポリポット
- 直径9cmのポリポットで育苗していた場合 → 直径10.5cmのポリポット
②徒長した苗を深植えする

①で用意した育苗容器に深めの穴を掘り、徒長した茎の大半が地中に埋まるよう深植えします。この時、成長点は地上に出すのがポイント!
③育苗培土で穴を埋める

成長点は地上に出すように注意しながら、育苗培土で穴を埋めたら完成!

ただ徒長した茎を埋めただけの誤魔化し作戦じゃないか!

そうなんだけど、地上に出る茎が短くなって全体が安定するし、埋めた茎から根っこが出てきたりして成長も良くなる。
まとめ:徒長させない管理を徹底しよう!
ここまで、徒長の原因や対策方法などをご紹介しました。
徒長とは、野菜の節間が必要以上に間延びしてヒョロヒョロとした状態のこと
徒長の原因は、日照不足や高温、水や肥料の与えすぎなど
直射日光や間引き、温度管理、水や肥料の制限などで徒長を防ぐ
それでも徒長してしまった場合は、深植え作戦で復活させる
「苗半作」ということわざの裏を返すと、苗の出来が悪いと半分は失敗が決まってしまう、ということになります。それほど、徒長させない苗づくり・育苗は重要です。
ぜひ本記事を参考に、徒長させない苗づくり・育苗をしてみてください!


