秋冬野菜は7月中旬~8月中旬に種まきして育苗します。ただ、その時期は35℃を超える猛暑が続いて「種を蒔いたけど暑すぎて発芽しない」「芽は出たけど暑さで枯れてしまった…」なんてお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、真夏でも失敗しない苗の育て方・育苗のコツについて、家庭菜園初心者向けに分かりやすく解説します。

この記事は、以下のような人におすすめ!
- 真夏の育苗で失敗したくない
- 家庭菜園でもできる育苗の暑さ対策を知りたい
この記事を読めば、真夏でも育苗を成功させることができますよ!
真夏の育苗が成功しない理由3つ
そもそも真夏の育苗が成功しない理由は何でしょうか?順番に詳しくご紹介していきます!
①暑すぎて発芽しない
真夏の育苗の大敵が「暑すぎる」であることは言わずもがな。
野菜にはそれぞれ発芽適温というものがあります。以下は主な野菜の発芽適温を示した表です。
https://www.takii.co.jp/tsk/hinmoku/tokusei/
夏場に育苗する機会の多いアブラナ科野菜は20~30℃、レタスは15~20℃となっています。一方で、夏場の気温は35℃を超える猛暑日が続くため、温度帯が合わず発芽しにくいのです。

そもそも夏場に育苗する秋冬野菜は涼しい気候を好むから、ハナから無理な話なんだよね…。
②ヒョロヒョロと徒長してしまう

夏場の育苗では徒長しやすいです。
水を切らさないようにと意識しすぎて逆に水を多く与えすぎたり、屋根下などの日陰に置いてしまったりすると、苗がヒョロヒョロと徒長してしまいます。

苗が徒長してしまうと、リカバリーはなかなか難しい…。
③水切れで苗が枯れる
もし発芽してくれたとしても、水を切らしてはいけません。
最近は猛暑日が当たり前になってるだけでなく、カンカン照りの晴天が続きますよね。そんな中、うっかり水やりを忘れてしまうと一気に土が乾燥してしまって苗が枯れ上がってしまいます。

雨もなかなか降らないから、水やりを忘れたら終わりだ…。
家庭菜園でもできる!夏の暑さ対策3選
真夏の育苗が成功しない理由を踏まえ、家庭菜園でもできる暑さ対策を3つ選定しました!順番に詳しくご紹介していきます。
①室内で発芽させる
発芽するまでは室内に置きましょう!
屋外で発芽適温を確保できそうな場所は手当たり次第探しましたが、このご時世、屋外はどこも暑すぎます。屋根下でも遮光ネットを使っても、発芽適温は確保できそうにありません。
そこでオススメなのが室内です。猛暑日が連日続く中、発芽適温に一番近づけられるのが室内だと思います。エアコンが効いている部屋がベストですが、玄関や廊下でも構いません。
少量しか育苗しない家庭菜園だからこそ、室内で管理して発芽を成功させましょう!

ちなみに発芽に光は不要なので、室内で光が当たらなくてもOK!
※好光性種子は除く

育苗トレーの下に大きめのビニール袋を敷いておけば、汚れ対策も万全だね!
②遮光ネットで直射日光を避ける

発芽が始まったら苗をすぐに屋外に移動させ、遮光ネットを上手く活用しながら日光を浴びせましょう!
発芽した後もそのまま室内に置いておくと、苗がヒョロヒョロと徒長してしまいます。それを防ぐために、発芽した後はすぐに屋外に移動させます。

発芽が始まったら(芽が出始めたら)すぐにというイメージ
発芽後の光管理

ただし、発芽したばかりの苗に真夏の直射日光を浴びせてしまうと、苗は耐えきれずに負けてしまいます。育苗期前半(発芽~本葉が出始める頃)の午前10時~午後2時頃の日差しが一番キツイ時間帯のみ遮光ネットを被せて、直射日光から苗を守りましょう!

それ以外の時間帯はどうすれば良いの?

出来るだけ遮光ネットは外す。なるべく直射日光を浴びせるように、という意識が大事。
いつまでも遮光していてはいけません。育苗期後半(本葉が出始める頃~定植まで)に入ったら、遮光する時間を徐々に短くしていき、直射日光に慣れさせてください。
オススメの遮光ネットや使い方は以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
③水をやり過ぎない

水やりは基本、朝1回たっぷりでOKです!
夏場はすぐに乾燥してしまうので水やりを多くしてしまいがちですが、水が多すぎると、苗がヒョロヒョロと伸びる「徒長」の原因になります。
適度な水分は残しつつも、やや乾燥気味で管理するのが育苗のコツです。朝にたっぷりと水やりして夕方ごろに土の表面が少し乾き気味になるくらいが理想ですよ!

ただ、カンカン照りで朝の水が持たずに葉先がしおれるようなら、夕方にも水やりをする。
それでも育苗に失敗してしまった場合は?

育苗が失敗してしまった場合は、焦らず種を蒔き直してみましょう!
育苗するタイプの秋冬野菜は7月中旬~8月中旬に種を蒔きます。育苗に失敗してしまった場合でも、この期間内ならもう一度チャレンジすることができます。種は使い切れずに余っているケースが多いかと思いますし、焦らず蒔き直してみましょう。

ただ、8月中旬を過ぎてくると収穫する前に寒さがやってくる恐れがあるので注意!蒔き直しても早生品種だけにしておくのが無難。
また、ホームセンターやネット通販等で苗を購入しても全然OKです!家庭菜園ですので、絶対に育苗する必要もありません。無理せず楽しみながら、苗を育ててみるのが大事です。
ぜひ本記事を参考に、夏場の育苗を成功させましょう!