食欲の源、ニンニク!
和・洋・中をはじめ、どんな料理でも重宝するニンニク。肉や魚の臭み消しや香りづけに使うことが大半かと思いますが、そのまま丸焼きにしてももちろん美味しいですよね!
今回は、そんなニンニクの有機栽培・育て方をご紹介します!
ニンニクとは?
基本データ
科目 | ユリ科 |
原産地 | 中央アジア |
連作障害 | あり(1~2年あける) |
適正土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
発芽適温 | 18~20℃ |
生育適温 | 18~20℃ |
生育適温は18~20℃と冷涼な気候を好みます。中央アジア原産ということで乾燥には強く、過湿は嫌います。冬の厳しい寒さにあてることで春先に一気に成長します。
ニンニクは栄養を根っこに蓄える「根ものタイプ」の野菜に分類されます。
栽培カレンダー

ニンニクは秋に球根を植え付け、数枚の葉で冬を越し、翌年の梅雨前ごろに収穫をします。栽培期間が8~9か月と長いですが、植え付け後はそこまで手間はかかりません。
おすすめ品種
ニンニクは栽培地域の気候や品種によって適した系統が異なります。お住いの地域にあわせて品種選びをしましょう!
寒冷地~中間地向け

ニンニクと言えば、やはりホワイト六片!1片がとても大きく食べ応えGood!火を通すと甘味も感じられ、丸焼きにするとホクホクして美味しい。

暖地だと低温が不十分で球が大きくならなかったり、病気が出やすかったりするよ。
暖地向け


暖地系なら平戸ニンニク!暖地系ニンニクはりん片が多かったりするけど、こちらは8~10片、1球100~150gほどとずっしり食べ応えがあるよ!
土づくり

まずは土づくりです!
植え付けの1週間ほど前に以下の肥料を鋤きこみ、幅65cmの畝を立てます。ニンニクは過湿を嫌いますので、やや高畝にしましょう。その後、植え付けまでに幅95cmで5列穴の黒マルチを張っておきます。
- 堆肥 2kg/㎡
- 卵殻 160g/㎡
- 有機発酵肥料 200g/㎡
- ミネラル肥料 60g/㎡

時間があれば、元肥を入れるだけでなく「太陽熱養生処理」もしておこう!

太陽熱養生処理って何?

土づくりにおける1丁目1番地は「団粒構造の発達」です。いくら良い肥料をやったところで、それを根が吸収してくれなければ意味がありません。野菜たちにはのびのびと健康に育ってもらいたい。そのために、土づくりでは通気性や保水性、排水性をもたらす団粒構造を発達させましょう。その手法としてオススメなのは「太陽熱養生処理」です。
植え付け


こちらが種ニンニクです。見た目はスーパーで売られているニンニクと同じですね!
ニンニクは1片ずつ植え付けるので、球の状態から1片1片にバラしていきます。

スーパーのニンニクを植え付けるのはダメなの?

スーパーでの棚持ちが良いように、発芽しにくい処理がなされている。また、ウイルス病に罹病している可能性があるのでやめた方が良いよ。近所のホームセンターや通販などで”種用”のニンニクを購入しよう!

ちなみに、ニンニクには薄皮があって、料理する際には剥がしますよね。これは、植え付け時にはそのままで構いません。芽は突き破って出てくれますので。
植え付け前の下準備が終わりました!いよいよ植え付けです。

とがった方を上にして、地表から2~3片分(10~15cmほど)の深さに埋めていきます。

上から見るとこんな感じで、結構深いですよ。ひたすら埋めていきましょう。

この種ニンニクの上に新しいニンニクができるから、その十分なスペースが必要だよ。
埋め終わったら土を被せて軽く鎮圧し、軽く水をあげてください。元から十分に湿っている場合は、水やりは不要です。
発芽

植え付けから2週間ほどで発芽が始まります!いやー、可愛いですね。ここから数枚、葉が出た状態で冬を迎えます。冬の間はほとんど成長しないのではじめは心配になるかもしれません。大丈夫です。ちゃんと春先に成長するために、根がしっかり張っていますから。
芽が複数出てきたら…?

発芽したニンニクをよく観察すると、1穴に1片しか植え付けていないにもかかわらず、芽が2つ以上出てきている場合があります。

1つの穴から芽が複数出てきた!どうすればいいの?

そのままにしておくと、栄養が分散されて小粒のニンニクになってしまう。成長の良い芽を1つだけ残して他は取り除こう!
追肥

3月になり暖かくなると成長再開です!

厳しい冬を良く耐えてくれたな…(泣)。
ニンニクの球をしっかり太らせるには、この時期に栄養を送り込む源となる葉や茎をたくさん出してもらい充実させることが重要です。3月中に以下を追肥して葉茎の成長をサポートしてあげましょう!
- 有機発酵肥料 80g/㎡
- ミネラル肥料 60g/㎡
4月下旬~5月上旬ごろの様子

4月下旬~5月上旬でこんな感じです!がっちりした茎に多くの葉が出てくれています。
ちょうどこの頃は球の肥大期への折り返し地点です。これまでは地上部の葉茎を大きくするために栄養が使われていましたが、この時期からは大きく育った葉茎で作られた栄養を根元に貯め込んでいきます。

この時期からいよいよ球が太ってくるんだね。

そうだね。この時期にチッソが残っていると、栄養が葉茎の成長に使われ続けてしまい球が太らないので、もう追肥はしないよ。
収穫!

6月頃、葉茎が枯れてきたらいよいよ収穫です!いやー、ニンニクは8~9か月栽培するので長いですね。
天気が良い日の午前中に掘り起こし、半日ほど日に当てて乾燥させましょう。

梅雨に入る前に収穫を終わらせておきたいところ。

その後は葉茎や根を取り除き、直射日光が当たらない風通しのいい場所で保管しましょう。ちなみに、我が家では写真のように麻ひもで吊るして保管します。これで1年間は持つので、ニンニクの次作まで保管できることになり、年間を通じて食べることができますよ!

ニンニクを栽培して、一緒にニンニクLIFEを楽しみもう!
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